歯冠修復・欠損補綴

う蝕治療算定の流れをイメージする(基本パターン)

2018年8月13日

こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

歯科点数算定していくときのコツですが、それは、塊として覚えていくことだと思います。

それぞれの診療行為ごとにセットで算定するものが決まっています。それを何日かに分けてやるのか1日でまとめてやってしまうのかで算定する点数に違いが出てくるため、その部分だけ気をつけていくといいと思います。

その典型とも言えるのが、むし歯の治療ですね。

単純なパターン(代表的な基本パターン)を書き出して行きますね。

虫歯が軽度の場合(レジン充填)

治療1回目  う蝕処置

治療2回目  窩洞形成(KP)+充填手技料+充填材料

軽度であれば、う蝕処置(むし歯を削ったりする)だけして終わる歯もあります。必ずしも充填をするという訳ではありません。

う蝕処置にて削って、必要があればレジン充填を行い、穴を埋めるというイメージです。

窩洞形成はKPと呼ばれています。レジン充填をする際に形を整える手技料です。

病名

  • 初期う蝕

点数の構成は

事前治療  う蝕処置、補綴物除去など

充填費用  形成料+充填手技料+充填材料

となっていますので、この塊をイメージしてください。

もし1日で全てを行う場合

う蝕処置・形成・充填までを一気に行う場合は、う蝕歯即時充填形成充填手技料充填材料を算定します。

う蝕歯即時充填形成(即時充形)は、う蝕処置から形成料の諸々がセット価格になったものというイメージです。なので、同日に同じ歯に対して行われたう蝕処置やKPなどを別途請求することは出来ません。

こあざらし
麻酔、歯髄保護処置、特定薬剤、窩洞形成等の費用は、所定点数に含まれます。

う蝕歯即時充填形成 (通知より一部抜粋)
(1) う蝕歯即時充填形成は、う蝕歯に対して1日で当該歯の硬組織処置及び窩洞形成を完了し充填を行った場合に限り算定し、次回来院の際、充填を行う場合は算定できない。
(2) 2次う蝕のため充填物を除去し、即時充填のための窩洞形成を行った場合は、う蝕歯即時充填形成により算定する。この場合において、充填物の除去は算定できない。
(3) 当該歯の歯冠修復物の除去に係る費用は別に算定できない。

虫歯の範囲が広い場合(インレー)

病名

  • 初期う蝕

点数の構成は

う蝕費用  う蝕処置、(補綴物除去など)

型取り日   窩洞形成(KP)+印象(imp)+咬合(BT)

装着日  インレー材料+装着料+接着セメント

むし歯の範囲が広いと金属の詰め物を作ることになります。その金属の詰め物のことをインレーと呼んでいます。

インレーはその日のうちに作ることが出来ないので、歯の型を取って、出来上がった詰め物を後日装着します。

インレーを詰めるために窩洞形成(KP)して、印象採得(imp)・咬合採得(BT)という型取りを行い、後日、インレーを装着します。

印象採得とは?

トレーと印象材を用いて、歯の型を取ります。この型取りの方法を印象採得と言います。

咬合採得とは?

印象材を用いて、上下の歯の咬合関係を印象材に残します。この型取りの方法を咬合採得と言います。

もし1日でう蝕処置から型取りまでを行う場合

型取り日  う蝕歯インレー修復形成+印象採得+咬合採得

装着日  インレー材料+装着料+接着セメント

う蝕即時充填形成のようにインレーにおいても、う蝕処置をしたその日に型取りまで行う場合はセット価格のような点数設定があります。

インレーの場合はう蝕歯インレー修復形成(インレー修形)と呼ばれる点数を算定することとなります。

こあざらし
麻酔、歯髄保護処置、特定薬剤、窩洞形成等の費用は、所定点数に含まれます。

インレー修復形成 (通知より一部抜粋)
(1) う蝕歯インレー修復形成は、う蝕歯に対して1日で当該歯の硬組織処置及び窩洞形成を完了し、印象採得及び咬合採得までを行った場合に算定する。
(2) 2次う蝕のため充填物を除去し、インレー修復のための窩洞形成を行った場合は、う蝕歯インレー修復形成により算定する。この場合において、充填物の除去は算定できない。
(3) 当該歯の歯冠修復物の除去に係る費用は算定できない。

虫歯が重症で歯の欠損範囲が多い場合(金属歯冠修復)

病名

  • Pul(歯髄炎)
  • Per(根尖性歯周炎)

点数の構成は

事前治療  歯髄保護、抜髄など(歯内療法)

型取り日  失活歯歯冠形成(失PZ)、もしくは生活歯歯冠形成(生PZ)+印象(imp)+咬合(BT)

装着日  金属冠材料+装着料+接着セメント+クラウン・ブリッジ維持管理料(補管)

むし歯が重度であり歯の中にまで進行している場合や、歯の大部分が失われている場合。歯内療法を終えたのち、金属の被せを作製して装着するという治療を行います。算定の塊としてはインレーの算定の仕方の進化形と考えたらいいです。

金属冠の窩洞形成は失活歯歯冠形成(失PZ)と生活歯歯冠形成(生PZ)という算定に分かれます。

  • 失PZは神経を失った歯に対する窩洞形成です。(感染根処や抜髄処置後の状態)
  • 生PZは神経が生きてる歯に対する窩洞形成です。

神経の状態に合わせて窩洞形成を算定し、印象採得と咬合採得で型取りをします。被せは型取り当日すぐには作製出来ませんので、後日装着となります。装着時にはクラウン・ブリッジ維持管理料(補管)の算定をして、金属冠に対する2年間の保証を行います。この装着日から2年間中に再作製する状態が生じた場合、特定の処置行為や材料以外の算定はしませんという患者さんに対する保証です。

こあざらし
麻酔、薬剤等の費用及び保険医療材料料は、所定点数に含まれます。

歯冠形成 (通知より一部抜粋)
(1) 歯冠形成は、同一歯について、1回に限り歯冠形成が完了した日において算定する。なお、簡単な支台築造、歯冠形成に付随して行われる麻酔等は所定点数に含まれ別に算定できない。
(2) 歯冠形成完了後、完了した日とは別の日に当該歯に行われる麻酔は別に算定する。
(3) 「1 生活歯歯冠形成」は歯冠形成に付随して行われる処置等の一連の費用は含まれるが、歯冠修復物の除去は別に算定する。

クラウン・ブリッジ維持管理料 (通知より一部抜粋)
(7) クラウン・ブリッジ維持管理を行っている歯冠補綴物やブリッジを装着した歯に対して充填を行った場合の一連の費用は、当該維持管理料に含まれ別に算定できない。
(8) クラウン・ブリッジ維持管理を行っている歯冠補綴物やブリッジを装着した歯に対して、当該補綴部位に係る新たな歯冠補綴物又はブリッジを製作し、当該補綴物を装着した場合の装着に係る費用は所定点数に含まれ別に算定できないが、装着に使用した装着材料料は別に算定する。
(9) クラウン・ブリッジ維持管理を行っている歯冠補綴物やブリッジが離脱した場合の再装着に係る費用は所定点数に含まれ別に算定できないが、再度の装着に使用した装着材料料は別に算定する。
(10) 「注1」の「歯冠補綴物又はブリッジ」を保険医療機関において装着した日から起算して2年を経過するまでの間に、外傷、腫瘍等(歯周疾患が原因である場合を除く。)によりやむを得ず当該「歯冠補綴物又はブリッジ」の支台歯、隣在歯又は隣在歯及び当該「歯冠補綴物又はブリッジ」の支台歯を抜歯し、ブリッジを製作する場合は、着手するまでの間に予めその理由書、模型、エックス線フィルム又はその複製を地方厚生(支)局長に提出しその判断を求める。また、添付模型の製作は基本診療料に含まれ算定できないが、添付フィルム又はその複製は区分番号E100に掲げる歯、歯周組織、顎骨、口腔軟組織及び区分番号E300に掲げるフィルムに準じて算定する。ただし、算定に当たっては診療報酬明細書の摘要欄に算定の理由を記載する。

さいごに

通知を見ると何だか小難しく見えてしまうので読む気が失せるのですが、まずは、算定の塊を覚えることが先決だと思います。それ以外の肉付けは、まず、この塊の流れが何となくイメージできるようになった後に徐々に行うと良いです。ということで、最初のうちは通知の深読みはしなくていいです。

医科レセプトと異なり、単月で終わる治療よりも長期に渡る治療が多いのが歯科レセプトです。継続性、縦覧を追っていかなければなりません。

歯科は医科よりも聞き慣れない専門用語に溢れています。よって、ただの項目として断片的に記憶しようとすると本当に苦痛になります。それよりも、診療の全体像を掴むため、項目がどんな処置行為なのかを一度調べてイメージしてみると、スムーズに歯科レセプトの算定を理解できるようになっていきます。

こあざらし
歯科レセプト作成というのは診療の流れがイメージできるようになることが何よりも大切です。新点数になっても核となる部分の算定は大きく変わることはないと思われますので、何かの参考になれば幸いです。
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  • この記事を書いた人

こあざらし

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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