【レセプト講座vol.1】あなたの学習目的は医療事務資格取得?実務スキル習得?

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

こあざらしがレセプトを基礎から教えるシリーズ、記念すべき第1弾の記事です。

アメブロ日記でお知らせしておりましたが、ついに解禁!読まれてない方は一読お願いします。

最低限知っておいたらレセプトを見れるようになるという軸をお伝えしていこうと思います。

学習マップ?のようなイメージなので、教材のように隅から隅まで説明するつもりは全くありません。

この部分の学習をしましょうと言うポイントだけを示していきたいので、参考にしていただけたらと思います。

こあざらし
今回はレセプト学習に向かう前のマインドセットがテーマです。

レセプトが何か分からないという人は、まず下の記事を読んでから本記事に進んで下さいね。

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目次

あなたがレセプトを学ぶ目的は何?

まず学習教材を選ぶ前に決めて欲しいことがあります。

あなたは何のためにレセプトの勉強をしたいと考えているのか、そこを見極める必要があります。

  • 医療事務資格を取得するためでしょうか?
  • 実践で使えるレセプトスキルを身につけるためでしょうか?

まずどちらの目的で勉強したいのかをはっきりさせないと、教材を選べません。

揃えるテキストが全く変わってくる上に、学習方法も異なります。

勉強する前にこの目的ははっきりさせておかなければならないのです。

資格取得のためのレセプト学習とは

カルテから読み取ってレセプトをルールに従いながら作成する正確性に重きを置いてます【カルテから正確にレセプト作成する能力向上を重視】

実務のためのレセプト学習とは

レセプトの間違い探しをするために算定ルールの読解や医学的観点を学ぶことに重きを置いています【レセプト点検に必要な医学知識やレセプトルールの読解能力向上を重視】

資格試験レセプトと実務レセプトの大きな違い

資格試験レセプトと実務レセプト、どちらに向けて勉強すべきなんだろうか?悩んじゃいますよね。

世間でよく聞く話。

資格を取っても意味ない。

実際に働いてみたら全然違ったって話をよく聞くと思いますし。

でも、いったいどんなふうに違うのか。

こあざらし
初心者の人にはあまりイメージ出来ないところでは?

そもそも資格試験レセプトと実務レセプトってどんなところがそんなに違うのか、まだイメージしにくいと言う人に、もう少し具体的な例を用いて、違いをいくつか解説したいと思います。

①病名に対する考え方

資格試験のレセプトは、外来・入院レセプトどちらの場合でも病名が最大3つ以内となっているようなものがほとんどです。また、この病名部分については何も考えずカルテからレセプトに写せば正解という作業となっています。

こあざらし
が、実務レセプトではこんな単純作業じゃない部分です!!(笑)

まず、初めて実務のレセプトを見た方は、病名数に圧倒されると思います。

病名欄だけでは収まり切らず、レセプトの点数明細欄にズラーっと並ぶものも多いです。中には、レセプト2枚目まで病名が続いてるような人もいたりします。

レセプトを見る際、病名記載の過不足についても診療行為の算定と合わせて点検しなければならない部分です。病名の診療開始日も診療内容と矛盾が生じていないか確認する必要があります。

例えば、4月1日に○○検査をしているのに適応病名の開始日が4月2日になっている。こんなことが実務ではよくあります。診察時は忙しく、翌日にまとめて病名入力をしたという場合に起こりがちなレセプト病名不備です。

このレセプトがどういう状態なのかというと、検査が必要だった4月1日時点では何も病名がなかったのに検査をしているということになります。本当なら4月1日開始の病名がなければ請求が成り立ちません。

「病名もないのに、この検査を行ってるのはオカシイですね。検査分の請求金額はお支払い出来ません」と請求先から断られても反論のしようがないです。

病名漏れや診療日間違い等のレセプト不備に関して、レセプト提出後の審査で指摘されたものは、医療機関の責任内容であるため請求が復活することはありません。(その他の内容不備なら場合によっては復活出来る場合ありますが)

そのため病名チェックは特に入念に行い、病名不足など怪しいものがあれば、医師などに確認のうえ、審査で指摘を受ける前までに修正しておかなければなりません。

どの検査や薬剤にどの病名が対応してるのか分かってないと、病名が漏れてるのかすら判別出来ません。

それゆえ、初心者の人はここを覚えるのに苦戦します。

また、病名と診療行為の必要、不要の考え方は今後の記事でまとめていけたらと思ってます。

こあざらし
とにかく実務は資格試験レセプトのように、全く病名については考えなくて良いですよという世界ではないことを知っておいてくださいね。

②レセプトの枚数

資格試験レセプトでは外来レセプトは1枚、入院レセプトは2枚以内に収まる内容となっています。

実務レセプトは外来レセプトは2枚以上なんてザラにありますし、入院については3枚以上となる事例は多く、中には30枚以上となるような濃い内容もあったりするんですよね。

受診が1回や2回というような人であれば単純なレセプトなのでそこまで枚数が増えることはありませんが、ひと月に何度も来院がある人や処置、検査、投薬、注射等がある人はレセプト枚数が多い人がいて、病名欄との照らし合わせが大変です。

③ルール記載のない部分の算定解釈が多様

資格試験の算定は保険ルールが明確に書かれているところを取り上げて問題にしています。

算定出来るか出来ないかハッキリしてるところしか出題されません。

しかし、実務では、算定ルールを読んでも算定出来るのかよく分からない…という事例が多いです。

資格試験→○回まで算定可能とハッキリとしたルールがある。

実務レセプト→上限回数のルール記載なし。

上限回数が書いてないから何回でも行けると思って請求したら、審査で通らなかった。

これが実務レセプトの現実です。

年齢、性別、持病などの内容によって、算定出来るかどうかの許容範囲が変わるため、審査で通るか通らないかは個々事例で変わります。

ある患者のレセプトでは請求が認められて、ある患者では請求が認められなかったという結果になることは日常茶飯事。

こあざらし
資格試験レセプトのように一つの決まった答えがあるものではないところが、実務レセプトが難しいと言われる所以だと思います。

④レセプトはお金という考え方

資格試験のレセプトでは、あまり請求金額の意識はしないですが、実務レセプトでは請求金額を意識させられます。

ちょっとした記載漏れ・不備で数万円、数十万円、百万円の病院収入が無くなることがあるので。(実際に審査側にいた時に、数十万、数百万円単位の支払いカットをたくさん見ました)

不払いとなる金額が大きいほど、責任が誰にあるのか?原因は?のちのち病院内で追及されます。

こあざらし
資格試験でのレセプトは単なる紙に過ぎませんが、実務のレセプトは請求書であり、診療行為をお金に換えてもらうための大事な書類なのです。

保険ルールに従った記載が行われていなければ、病院側にお金が支払われることはありません。

資格試験のレセプトはたくさん間違っても試験の点数がもらえないだけですが、実際のレセプトでは病院収入の増減が関わってくるため、間違えれば間違えるだけ患者からの信用は失いますし、病院収支にも反映します。

算定間違いで金額が変わった場合、患者からもらう自己負担額も変わる場合があります。返金なら患者は快く納得されますが、追徴となる場合は話が異なります。

数千円、数万円の追徴が発生したと聞いて、嬉しくなる人はいませんよね。

追徴説明が下手だとクレームにつながる案件です。この説明は事務に任されるところも多く、怒られる覚悟で対応しなければなりません。

追徴金額が大きくなるほど揉め事に発展する可能性大です。医療事務の中で嫌な役回りの一つですね(笑)

このようなストレスは事前に回避したいですから、事務は必死にレセプト点検します。

こあざらし
レセプト作成時の請求金額によって重圧が違うということを知っておいてくださいね。

実務ではレセプト作成能力より点検能力が大事

まず、医療事務の実務をよく知らないという人に前置きしておきたいのですが、実務においては医療事務員がレセプトの手書き作成が出来るかどうかという部分は重視されていません。

なぜかというと、レセプト用のコンピューターが診療実施データを元に自動作成を行なってくれるからです。

診療時に会計を行うことで、レセプトに自動反映されます。薬剤の計算や酸素の計算とかも使用数を入力したら自動計算されます。

ごく限られた医療機関のみ手書きレセプトでの請求を行なっていますが、イメージとしては…お爺ちゃん先生みたいな?ところが多いです。

現在、電子レセプトでの請求が原則義務化されているので、白紙からレセプト作成が出来無くても医療事務として問題なく働けちゃうんです。

手書きで修正することはあっても、事務員が手書きでゼロからレセプトを作成するという機会は滅多に無いと思います。

手書きで修正する際も、コンピューターで修正を行なってそのデータを見ながら書き写すような方法でやってるところが多いです。

だから、自力でレセプト作成が出来なくたって別に構わないんですよ。なんとなく見方が分かれば良いのです。

未経験の人からすれば、レセプト作成するという話はハードルが高過ぎて、医療事務の仕事が務まるかしらと心配される方もいます。

こあざらし
でも、作成ではなく点検で良いという話になればいくらか気持ちが楽になるのではないでしょうか。

作成は仕組みを覚えて自分で組み立て出来なければならないので、ちょっと難しいと思います。

でも、レセプトの作成はコンピューターが勝手にしてくれるので心配しなくて大丈夫ですよ。

資格試験でもゼロからレセプト作成する実技があったりしますが、今の時代、実務であんなの作成したりしないです(笑)

複雑な診療してるところはレセプトも複雑になりますから、コンピューター対応してます。じゃなきゃ効率悪くて通常業務が滞っちゃいます。医療事務の仕事はレセプト作りだけではないので、そこにかかりっきりになれません。

レセプト作成を身につけようと思うと範囲が広いし、自分の中で覚えておかなければならないことがたくさん出てきて大変です。でも、レセプト点検は、出来上がったレセプトに間違いがないかを確認する作業なので、出てきた点数だけに的を絞って、分からなければ調べていけばいいんです。

範囲が必然的に狭まります。

実務では、診療科によってレセプト内容も特色が出ます。内科なら内科に関わる点数を中心に、皮膚科なら皮膚科、婦人科なら婦人科、眼科なら眼科。

試験範囲のように広い範囲ではなく、実際は限られた範囲での内容しか使いませんので、自分が就職する医療機関に必要なものだけを優先的に覚えたら良いですよ。

資格試験レセプトは広く浅く、実務レセプトは狭く深くです。

診療科ごとに算定特色があると言いましたが、素人の人がそれを区別するのは難しいかもしれません。

その部分もいずれ解説していけたらと思ってます。

さいごに

今回は実務レセプトと資格レセプトの違いを解説してみました。雰囲気は伝わりましたでしょうか?

資格試験などは通学・通信講座や参考書が多く出版されていますが、実務レセプトを意識した医療事務向けの学習書は少ないように思います。

そこで、これからレセプト講座を通して、実務レセプトを重視した内容を解説していきたいと思っています。

レセプトの勉強を始める前に、まず、自分が何を勉強していくのかというのをイメージして欲しかったので、この記事を書いてみました。

こあざらし
実務レセプトを学習すると言うのであれば、ぜひこれからのレセプト講座を参考にしていってください♪

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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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