歯科レセプト|顎骨内異物(挿入物を含む。)除去術の複数算定。

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今日は、歯科点数表の手術についてお話ししようと思います。

にゃこ
異物除去の算定で気をつけることはあるのかな?
こあざらし
意外と算定漏れが多いかもしれないね。今日は算定のパターンについて勉強してみよう。

私が実務で算定していた時のやり方をお伝えします。


目次

顎骨内異物除去術の算定の基本

まず、通知を確認しましょう。

通知(1)
「1 簡単なもの」は、顎骨骨折における観血的整復、上顎骨形成術又は下顎骨形成術における顎骨の固定等に用いた金属線又はスクリューの除去を行った場合に算定する。

通知(2)
「2 困難なもの」は、顎骨骨折における観血的整復、上顎骨形成術又は下顎骨形成術における顎骨の固定等に用いた骨体固定金属板の撤去を行った場合に算定する。

簡単なものの算定は、金属線やスクリューを除去した場合です。

困難なものの算定は、骨体固定金属板(プレート等)を除去した場合です。もし同部位のプレートとスクリューをまとめて除去した場合は「困難なもの」のみで算定しましょう。

この手術を算定する場合は、プレートやスクリューを埋入した手術の名称と年月日を記載するようにします。病名は、骨折手術で埋入したものであれば骨折病名を記載し、矯正のための外科手術で埋入したものであれば、その時の矯正病名を記載してレセプト請求しましょう。

複数箇所の除去

患者によっては上下顎の手術を行う患者もいると思います。どのような算定をすることとなるのか。まずは、点数の並びを確認してみましょう。

1 簡単なもの
イ 手術範囲が顎骨の2分の1顎程度未満の場合
ロ 手術範囲が全顎にわたる場合

2 困難なもの
イ 手術範囲が顎骨の3分の2顎程度未満の場合
ロ 手術範囲が全顎にわたる場合

「簡単なもの」と「困難なもの」の中で手術範囲ごとに点数の設定があります。

上顎の手術をした患者のプレート除去を行う場合

パノラマで埋入状態を確認して、全顎に満遍なく埋入されているものを除去しているようであれば、「困難なもの」の(全顎にわたる場合)が算定できます。

もし左右に埋入されているプレートの除去を別々の皮切で行う場合、「困難なもの」の(2/3顎程度未満の場合)を2回算定することができます。左右別にそれぞれ算定する場合は、「皮切2か所」というように摘要記載を入れましょう。

上顎・下顎の手術をした患者のプレート除去を行う場合

パノラマで埋入状態を確認して、全顎に満遍なく埋入されているものを除去しているようであれば、「困難なもの」の(全顎にわたる場合)が算定できます。

そして、昔、私も勘違いしていたのですが。全顎と言っても、上下両方合わせて全顎というわけではなかったのです。上下算定は別々にすることができますので、「(上下)全顎×2回」もしくは「(上)全顎×1回、(下)2/3顎未満×1回」、「(上)全顎×1回、(下)2/3顎未満×2回」、「(上下)2/3顎未満×4回」のような形で算定が可能です。

上下の算定をすべて(2/3顎未満)で請求する場合は上下合わせて最大4回までが妥当と思われます。それより多い皮切で行った場合でもそれ以上の算定は過剰かと…。その場合、1顎は全顎に切り替えて請求を行った方が安全ではないでしょうか。

上顎のスクリュー除去を行う場合

パノラマで埋入状態を確認して、全顎に満遍なく埋入されているものを除去しているようであれば、「簡単なもの」の(全顎にわたる場合)が算定できます。

もし左右に埋入されているスクリューの除去を別々の皮切で行う場合、「簡単なもの」の(1/2顎程度未満の場合)を2回算定することができます。左右別にそれぞれ算定する場合は、「皮切2か所」というように摘要記載を入れましょう。

まとめ

  • プレートやスクリューを埋入した前回手術の名称と年月日を記載する。
  • 病名は、埋入時の手術に対する病名をそのまま使う。(〇〇の術後という病名でも構わない)
  • 皮切ごとに術式算定が可能。(上下合わせて最大4回分までが適当と思われる)
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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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