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歯科レセプト|歯根嚢胞摘出術と顎骨腫瘍摘出術の算定まとめ
口腔外科領域で多いのが歯根嚢胞と顎骨腫瘍の摘出術。以前実務で算定を行ってた時に気をつけてた所を書いていこうと思います。
歯根嚢胞摘出・顎骨腫瘍摘出の病名
歯根嚢胞摘出術の病名
- 歯根嚢胞(WZ)
顎骨腫瘍摘出術の病名
- 良性顎骨腫瘍
- 外骨腫
- 歯原性角化嚢胞
- 歯牙腫
- 鼻口蓋嚢胞
- 切歯管嚢胞
- エナメル上皮腫(良性)
- 濾胞性歯嚢胞(含歯性嚢胞) などなど
歯根端切除術・抜歯手術
- Per
算定する時に気をつけたいこと
歯根嚢胞とは、歯の根尖部に出来る嚢胞です。液状内容物を含む袋のような形をしています。
それに対して、顎骨腫瘍とは歯根嚢胞を除いた顎骨に生じる腫瘍だと考えたらいいと思います。
病理学的にはもちろん異なってくるものなのですが、レセプト請求をする事務員の中で算定時に大きく振り分けを行うとしたら、そのように考えるのが一番シンプルかと。
顎骨腫瘍摘出術で算定を行う病名例を見てもらうと、すごく際どい病名がありますよね。歯根嚢胞をもじったような病名が。
ざっと言うと、歯根嚢胞は歯の根っこに出来るオデキ。含歯性嚢胞は、歯自体を含んだ腫瘍。そんなイメージ。そう考えてみると、似たような病名だけど中身が違うなってのが分かると思います。
歯根端切除と抜歯
歯根嚢胞摘出術と顎骨腫瘍摘出術は、歯根端切除術や抜歯手術を伴う場合がほとんどです。複数手術の規定より併算定可能な組み合わせが異なります。
歯根嚢胞摘出術との併算定の場合
- 歯根端切除術は、従たる手術50/100で算定可能。(1歯につき)
- 抜歯手術は、算定不可。
顎骨腫瘍摘出術との併算定の場合
- 歯根端切除術は、従たる手術50/100で算定可能。(1歯につき)
- 抜歯手術は、50/100で算定可能。(1歯につき)
歯根端切除、抜歯ともに1病巣に1種類の従たる手術の算定と言う考え方になると思います。顎骨腫瘍摘出術×1個算定したのであれば、抜歯1本もしくは歯根端切除1歯分のどちらか一方を50/100逓減することで併せて算定出来ますね。
複数手術の特例を算定する場合は、基本的に主たる手術+従たる手術50/100(1つに限る)とされています。
もし1つの顎骨腫瘍と同一病巣・術野で抜歯手術2本やったという場合は、従たる手術は抜歯(50/100)を2本分算定が可能なようです。
歯根嚢胞
歯根嚢胞摘出術を算定出来るのは、歯根嚢胞(WZ)だけ。
歯ごとに算定可能ですが、歯根嚢胞の大きさによっては同一術野とされ、隣接の術に関しては査定される場合があります。
歯冠大ならば1歯分ずつ算定できると思いますが、拇指頭大からは、臼歯部か前歯部か歯の大きさによって判断が異なります。
小さい歯の部分であれば、隣接する腫瘍摘出は主たる手術のみとされるかもしれません。
原因歯の抜歯については算定できないので、抜歯コメントを記載して対応。点数は算定しませんが、原因歯に対する病名記載も忘れずにしましょう。
顎骨嚢胞
通知
顎骨腫瘍摘出術とは、顎骨内に生じた良性腫瘍又は嚢胞(歯根嚢胞を除く。)を摘出する手術をいう。
通知にもある通り、歯根嚢胞以外の嚢胞摘出は顎骨腫瘍摘出術での算定となります。
エナメル上皮腫
エナメル上皮腫は、少し、特殊なんですよねー。通常の顎骨腫瘍とは異なり、再発することもあったり、広範囲の顎骨切除が必要だったりする腫瘍。悪性腫瘍の場合もあります。
なので、ほとんどの場合がJ042下顎骨悪性腫瘍手術の準用で算定ですね。ちなみに、これはJ042の準用は下顎の設定で、上顎のエナメル上皮腫は取扱いが異なります。
悪性腫瘍手術の準用をするわけですから、めちゃくちゃ手術の手技料が高いんです。エナメル上皮腫にも良性で小さい場合があると思いますので、歯科医師の裁量で、顎骨腫瘍摘出術で算定をする場合もありました。なんか少ししかとってないのに申し訳ないという気持ちになってしまうようです。
ただ、書面上では区別つけられないので、病名「エナメル上皮腫」さえあれば、J042の算定で返戻や査定をされるというようなことはありませんでした。(全身麻酔でそれなりの規模でやってる場合です)
左右の顎骨腫瘍
右と左に別の腫瘍があれば、それぞれに対して算定が可能です。上下左右にあれば4つなんてこともありますね。そんな人滅多にいないと思いますけど…。
さいごに
今現在は医科ばかりレセプトを見ているのですごく久しぶりなんですが、一応記憶を呼び起こしながら書いてみました…。どんなパターンがあったか、言われれば思い出すかもしれませんが、今のところ気になったのはこのくらいです。
あんまり役に立たない経験情報かもですけど、何かの参考になれば幸いです。