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歯科レセプト|下顎骨折非観血的整復術と下顎骨折観血的手術の保険算定
今日は歯科点数表の手術についてお話ししたいと思います。
実務で経験した情報から解説していきます。
(J071)下顎骨折非観血的整復術
ワイヤー、MMシーネ、スクリューなどを用いた顎間固定です。手術の使用材料を確認すると、麻酔などの算定もなく、薬剤やその他材料もない場合が多いです。
MMシーネ等を使った場合は線副子に該当しますので、併せて算定できます。(1顎につき)
顎間固定を行うためのスクリューも併せて材料の算定が出来ます。スクリューを使う大抵の場合、上顎左右と下顎左右に打ち込み、計4本で固定を行いますので請求はほぼ4本になると思います。
ちなみに、両側骨折の場合であっても1顎(下顎)として1回の手術手技料しか算定出来ません。
3~4週間と非観血の方が割と入院期間が長くなる傾向にありました。なので、入院申し込みの段階で下顎骨骨折(4週間入院予定)という患者がいた場合、非観血手術をやる予定なのかなぁという印象を受けてましたね。
(J072)下顎骨折観血的手術
プレートなどを用いた固定。麻酔も全身麻酔を実施し、薬剤も材料もたくさん使用されていることが多いです。
片側と両側の点数がありますので、病名には必ず患側をつけて請求することとなります。患側がなければ、返戻となりますのでご注意ください。
正中下顎骨折は両側として請求します。
プレート数とスクリュー数が詳記記載と相違ないか確実に照らし合わせて請求を行ってください。詳記の中に使用数の記載があると特に注目されます。詳記と算定材料数に相違があれば、査定や返戻対象となります。点検の段階で確認しておきましょう。
もし相違があった場合、術後のパノラマを見るとプレートもスクリューも写りますので、それを確認した後で問い合わせを。詳記の間違いか材料箋の間違いか把握し、問い合わせ先を事務か材料部か歯科医師なのか決定してください。(吸収性材料は残念ながら写りません…)
入院期間は2~3週間くらいで、非観血よりも短期間で退院していかれます。ただし、吸収性の材料を使っていない場合はプレートやスクリューの除去のため再度の入院が必要となります。
非観血と観血手術の併算定は可能か
下顎骨折非観血的整復術と下顎骨折観血的手術の併算定をする場合ですが、この手術同士の実施間隔が2日か3日ほど空いていれば算定可能と思います。
非観血は骨を正しい位置に整復し骨が癒合するまで上下の歯を咬み合わせた状態で顎間の固定を行い、ひたすら骨がくっつくのを待つ治療です。
この非観血的手術で様子を見ていたが、やはり、治療方針を変えて観血的手術を行う流れとなった…こんな場合もありますので、その場合においては同じレセ内でそれぞれの算定が認められています。
ですが、治療方針の転換があまりにも早いと(翌日だとか)、非観血的整復術は単なる術前の一時的仮固定のために行われたものと判断される場合があり、観血的手術の一連診療として査定される場合があります。よって、併算定を行う場合は日数が空いてる場合にするのが妥当と思われます。日数が近い場合は、2つの手術の併算定はお勧めできませんので、観血的手術のみの請求を行うといいのではないでしょうか。
どうしても請求を行いたい場合は、最初は非観血的治療予定だったが〇〇な理由で観血的手術を行う流れとなった旨を摘要に入れると良いかもしれません。
さいごに
骨折で入院する患者さんは口腔外科では多いパターンですね。プレートやスクリューを埋入すると、治癒終了後にはもちろん材料を抜去しなくてはなりません。その際の手術については次の機会にまとめたいと思います。何かの参考になれば幸いです。