レセプトで携帯型ディスポーザブル注入ポンプ(PCA型)が査定になる理由

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

時々査定になる材料について、まとめようと思います。

こあざらし
PCA型ポンプです。
目次

レセプトで携帯型ディスポーザブル注入ポンプ(PCA型)が査定になる理由

レセプトで携帯型ディスポーザブル注入ポンプの中でもPCA型には色々なルールがあります。

こあざらし
通知の確認をしましょう。

PCA型は、注射又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入の際に、PCA(Patient Controlled Analgesia)のために用いた場合に算定できる。

麻酔剤の注入なし

通知より、

  • 注射麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入
  • 硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入
  • 硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入

の際に用いた場合に算定できることになっています。

こあざらし
使用薬剤に硬膜外麻酔用薬剤やフェンタニルなどの麻酔鎮痛薬の請求が見られないレセプトにおいては、査定される可能性が高いです。

DPCで硬膜外麻酔なし

  • 注射麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入
  • 硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入
  • 硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入

この3パターンに適応がありますが、特に、DPC入院中硬膜外麻酔や硬膜外ブロックの算定がない患者に対する算定の査定が多いです。

硬膜外麻酔や硬膜外ブロックの算定がないということは、それ以外での麻酔剤の注入を行ったものに対する算定だと解釈されます。

こあざらし
つまり、残っているもので考えられるのは注射麻酔後における麻酔剤の注入となりますね。

もしも、注射絡みということになると、麻酔の54番ではなく30番での請求と判断されます。

こあざらし
この場合、PCA装置は、注射の30番での材料使用と考えられるため、DPCでは包括です。

DPCでは術中薬剤以外は見えません。

硬膜外麻酔等なく、術中薬剤にフェンタニルなどの麻酔鎮痛薬の請求が見られないレセプトにおいては、注射項での麻酔剤注入に用いられた材料と判断されDPC包括となり、査定されるという解釈です。

算定する際には、硬膜外麻酔併施加算、もしくは神経ブロック併施加算があるかを確認しましょう。

術中薬剤にフェンタニル麻酔などがあるかも確認必要です。

IV-PCA(経静脈投与PCA)が行われるタイミングによっては、術中の使用材料として認められることがあります。

こあざらし
PCAのポンプはいつ設置されているものなのか、その設置が手術中だと分かれば、術中材料となり請求は可能です。

同日2個の算定

通常1個使用です。

同日に2個以上の算定がある場合、査定対象となると思います。

こあざらし
日計表で同日の算定個数は確認するようにしましょう。

携帯型ディスポーザブル注入ポンプ(PCA型)に関連して査定になるもの

注射の手技料

PCA装置は24時間留置により算定出来る材料です。

もしも麻酔剤の注入を同日に行っているのであれば、PCAとは別ルートで注入しているとは考えにくく、注射の手技料は別に算定できないと考えられます。

精密持続注入加算、精密持続点滴注射加算

次の文章は、PCA装置の通知です。

なお、本材料を算定する場合には、第6部注射の「通則」第4号に規定する精密持続点滴注射加算又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算は算定できない。

PCA装置の請求がある場合は、

  • 精密持続点滴注射加算
  • 硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算
  • 硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算

の算定が出来ないこととなっています。

このことより、PCA装置算定患者のレセプトでは査定される傾向です。

ただし、PCA装置の算定日を確認して、それより前の日に算定されている加算であれば算定可能です。

PCA装置算定日以降でしたら難しいですが、算定日より前の加算算定でしたら、再審査請求してみてもいいと思います。(他の査定理由に当てはまらないのであれば)

さいごに

今回は特定保険医療材料のPCA装置についてまとめてみました。

こあざらし
この装置の算定がある場合は、麻酔と麻酔薬剤、注射の手技料と加算に気をつけましょう。
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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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