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レセプトで療養費同意書交付料の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
療養費同意書交付料を算定する際にはどんなことを気をつけたらいいでしょうか。
交付をすれば交付料の算定ができるのかと思いきや…
実はいろいろと確認しなければならない部分が多い医学管理料なんです。
今日はそんな話をしてみようかと。
B013 療養費同意書交付料の算定が査定になる理由
療養給付困難である患者
療養費同意書交付料は、原則として当該疾病に係る主治の医師が、診察に基づき、療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうの施術に係る同意書又は診断書(以下「同意書等」という。)を交付した場合に算定する。
「療養の給付を行うことが困難であると認めた患者」が対象となるものです。この部分から解釈すると、投薬や処置がある患者は該当しないと考えられます。
まだ、薬を投与することが可能であったり、処置で緩和することが可能な症例であれば、療養費同意書交付の必要性はないと判断され、査定されてしまう可能性があります。
もしも、投薬が別疾患に対するものであった場合ならば算定可能です。レセプト請求する際に心配であれば、療養費同意書交付料対象疾病に対する処方ではない旨をコメント記載しておいてもいいかもしれません。
また、日計表を確認してみましょう。交付料を算定する前の投薬処置であれば問題ありません。査定されたのであれば、交付前のものであることを強調して復活再審査請求をしてみてもいいのではないでしょうか。
傷病名(整形関連病名)なし
はり、きゅうの施術に係る療養費の支給対象となる疾病は、慢性病であって医師による適当な治療手段がないものとされており、主として神経痛・リウマチなどであって、類症疾患についてはこれらの疾病と同一範疇と認められる疾病(頸腕症候群・五十肩・腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を症状とする疾患)に限り支給対象とされているものである。具体的には、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症について、保険医より同意書の交付を受けて施術を受けた場合は、保険者は医師による適当な治療手段のないものとし療養費の支給対象として差し支えないものとされている。また、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症以外の疾病による同意書又は慢性的な疼痛を主症とする6疾病以外の類症疾患について診断書が提出された場合は、記載内容等から医師による適当な治療手段のないものであるか支給要件を保険者が個別に判断し、支給の適否が決定されるものである。なお、これらの疾病については、慢性期に至らないものであっても差し支えないものとされている。
通知から見て分かる通り、整形関連の病名がレセプトに必要となってきます。
内科病名だけでの請求はできませんので、レセプト点検の際には確認してみてください。
頭痛、高血圧、糖尿病など…査定対象と考えられます。
初診時(急性病名)
通知には慢性期に至らないものであっても差し支えないとされていますが、急性腰痛症など“急性”とつく病名とはあまり相性が良くない医学管理料です。審査医師によっては、査定という判断をされる場合があります。
再診時の場合、診療開始日が古ければ特に注目されません。
再診で経過観察を行っていたものが、療養の給付を行うことが困難な症例という判断に至ったのだなぁという自然な流れだからです。
初診時に急性病名なのに、即日いきなり診療困難という判断に至り、いきなり交付料を算定するという流れは少し過剰なように思われるため、算定疑義が生じてしまいます。
B001-17 慢性疼痛疾患管理料との併算定
慢性疼痛疾患管理料は、変形性膝関節症、筋筋膜性腰痛症等の疼痛を主病とし、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定することができる。
慢性疼痛疾患管理料は、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定できる点数なので、「療養の給付を行うことが困難であると認めた患者」ではないとされる医学管理料とは相性が良くありません。
同月のレセプトにて併算定はしないほうがいいかもしれません。もし算定するのであれば、慢性疼痛疾患管理料算定後であるべきです。交付料算定後に慢性疼痛疾患管理料の算定をされた場合は疑義が生じますので、査定対象になる可能性が高くなります。
3月に1回
初療の日から3月(変形徒手矯正術に係るものについては1月)を経過してさらにこれらの施術を受ける必要がある場合において、同意書等を再度交付する場合にも別に算定できる。ただし、同意書等によらず、医師の同意によった場合には算定できない。
特例を除き、3月以内に再算定は出来ないと解します。算定をする際には縦覧のレセプトに気を配りましょう。以前に算定がないか確認が必要です。
ただし、一度交付した疾患とは異なる新しい疾患に対するものであれば3月以内であっても再度の算定ができるものだと思われます。
また、施術の種類や交付する相手施設が異なる場合などは別々に算定ができるものと解することができますので、その場合はレセプトに摘要記載をいれておくと査定防止につながります。
さいごに
投薬や処置を算定する順序が交付料の算定前後どちらなのかによって査定対象となりえるというお話でした。出来れば同日の算定も避けましょう。お互いが関係のない薬や診療行為であれば問題ありません。