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レセプトで退院時処方の算定が査定となる理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
退院時の処方って、あまり何も考えずにオーダーのまま算定してることが多いと思いますが、実は確認しておかないといけないことがいくつか。
気をつけて確認していれば、防げるパターンの査定もありますので意識してみると良いと思います。
DPCと出来高入院では多少審査傾向が異なりますので、確認していきましょう。
退院時投薬の算定について
退院時投薬ですが、これはあくまでも在宅で使用することを目的とした投薬です。そのことを踏まえた上で確認していきましょう。
自院だけの入院パターン
普通に退院
DPC・出来高ともに算定可能。出来高は当然なので特に注意点はありませんね。
DPCでは多少注意が必要です。
DPCは通常投薬の算定は包括となっていますが、退院時投薬においては算定が可能となっています。
算定時、特に気をつけてほしいのは日計表です。
DPCでの退院時投薬は、特別な理由がない限り退院日以外での出来高算定は認められていません。特別な理由とは、退院日が休日となっている場合などです。なので、退院日投薬については、退院日にて算定を行うようにしてください。これが守られていないと場合によっては査定対象となるものです。
予定された再入院
予め把握している再入院(予定再入院)であれば、退院日から再入院日までの期間日数分の処方しか算定出来ませんので注意が必要です。
退院後、同月中に緊急再入院
予定再入院と異なり、再入院は予想していなかったものです。やむを得ないものですので前回入院時の残薬がある状態での再入院ですが投薬の算定はそのまま請求可能と思われます。
ただし、次の退院でも同じ薬剤の追加投薬をする場合には残薬を考慮した日数分での算定を行うようにした方が無難です。
残薬があまりに度を越した量になると、査定の視野に入ってしまいます。
他病院へ転入院するパターン
DPC病棟が関わる転入院については疑義解釈にて通知で明示されている部分であるため、転院先で使用したと考えられる場合は算定出来ません。
入院中の患者に対して使用する薬剤は、入院する病院において入院中に処方することが原則であり、入院が予定されている場合に、当該入院の契機となる傷病の治療に係るものとして、あらかじめ当該又は他の病院等で処方された薬剤を患者に持参させ、当該病院が使用することは特別な理由がない限り認められない。なお、特別な理由とは、単に病院や医師等の方針によるものではなく、個々の患者の状態等に応じた個別具体的な理由であることが必要である(やむを得ず患者が持参した薬剤を入院中に使用する場合については、当該特別な理由を診療録に記載すること。)。
出来高病棟は医科点数表を参考とするため、そのルールに従うのですが、在宅で使うための薬剤ということ以外の指定は何もありません。算定については特に明記されていないものです。
よって、この部分で解釈の差異があります。算定については規定がないので算定できると考える場合と、在宅使用を目的としていないものなので退院時投薬ということでは保険請求は出来ないと考えられる場合が存在してしまうのです。
そのため審査自治体によっては解釈が異なり、審査にもばらつきが生じる部分ではあります。
自院から他病院へ数日後に転入院(予定入院)
他病院への入院日が決まっている場合は、注意してください。退院日から転入日までの期間日数分であれば退院時投薬の算定が可能とされています。それを超える日数分の算定をすると、査定となる可能性があります。
自院退院後、即日他病院への転入院(予定入院)
退院したその日のうちに他病院に入院するといった患者に対する退院時投薬の算定ですが、DPC病棟については、『転院先で使用するために処方されたものと判断できる場合』は算定出来ないものとされています。自治体により解釈異なる場合もありますが、おおよそ一致しているものと思われます。
- DPC→出来高 退院時投薬は査定対象
- 出来高→DPC 退院時投薬は査定対象
- DPC→DPC 退院時投薬は査定対象
- 出来高→出来高 自治体により解釈異なる
- 出来高→特定入院料(包括) 自治体により解釈異なる
- 特定入院料(包括)→出来高 自治体により解釈異なる
出来高については自治体により判断が異なります。算定を認めてくれる場合もあったり、認めてくれない場合もあったり。
さいごに
今日は退院時投薬について触れてみました。退院時投薬を算定する際には、患者が退院後にどこへ行くのかが重要です。家であれば何も問題ありません。
自院に再入院予定であれば投薬日数には気をつけましょう。
他病院へ入院ということであれば入院日と病棟の種類を把握しておきましょう。
こういったところを注意して算定を行うと査定を防げるものと思います。参考までに。