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レセプトで特定薬剤治療管理料の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
今日は、医科点数表の医学管理料についてまとめます。
特定薬剤治療管理料と言えば、頻出の医学管理料ですね。
そのうえ、査定になるケースも多いようです。
査定になるパターンを書き出しますので、特に注目して点検しておくと査定予防につながると思います。
特定薬剤治療管理料の算定が査定される理由
薬剤の算定がない場合
特定薬剤治療管理料とは、そもそも指定の薬剤について管理を行うものです。薬剤の投薬がないのであれば必要のないもの。ゆえに投薬の有無にて審査されます。
特薬の算定月に該当薬剤の算定がありますか?
いま一度確認しておきましょう。
DPC入院中
薬剤に対する病名がないということで査定になりやすいのがDPC入院中に算定したものです。
ほとんどの点数が包括になりますし。4病名を超える病名についてはレセプトにあがってこなくても記載の義務がありません。
ゆえに、DPC入院だと警戒心が緩くなるのですね。
4病名を超えた場合はDPCレセプトに病名記載は必要なくなりますが、逆に4病名を超えないのであれば病名が必要だという解釈になります。病名がなければ査定対象です。
また、同月に外来での受診があった場合や、特定入院期間Ⅲを超える期間に突入した場合は出来高レセの請求がありますので、そのレセプトにて病名の確認が可能となってきます。横覧で確認されると、病名がない場合は査定となる場合がありますので注意しましょう。
入院外来
医学管理料ではありますが、入院中に算定出来ないものではありません。よって、入院でも外来でも算定は有り得る点数です。
入院と外来のレセプトは別なので点検の際に見落としがちですが、同じ薬剤について同月に複数回算定をすることは出来ません。
他病院入院患者
入院中の患者の他医療機関ヘの受診
入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)は、他医療機関において当該診療に係る費用を算定することができる。ただし、短期滞在手術等基本料2及び3、医学管理等(診療情報提供料を除く。)、在宅医療、投薬、注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射に係る費用を除き、処方料、処方箋料及び外来化学療法加算を含む。)及びリハビリテーション(言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーション料を除く。)に係る費用は算定できない。
特薬は本来ならば入院でも算定可能な点数ではありますが、他病院入院中に関しては例外です。他病院入院患者に対する医学管理料の算定はできませんので、気をつけましょう。また、通知の規定にてDPCは除くとされていますが、算定できるという意味ではありません。
DPC入院中における外来受診費用自体そもそも算定できません。入院中の病院との合議による精算となりますので、同じく外来での請求は出来ないものです。
対象疾病限定
この医学管理料の点検でうっかりしてしまうのが、まさにこれですね。それぞれの薬剤に対して、特薬の算定適応とされる疾患が限定されています。
これによって何が起こり得るかという話ですが、投薬の適応疾患と特薬の適応疾患が必ずしも一致するわけではないというところです。
投薬に対する病名があるから保険請求は通るというわけではありません。特薬には特薬対象となる病名がありますので、それに該当しない症例については保険請求が出来ないので注意しましょう。
また、いくら特薬の指定一覧にある病名を持つ患者であっても、その月の指導薬剤と指定病名の不一致が見られれば査定対象となります。あくまでも当月投薬の薬剤に対する病名がなければなりません。
同じ項目の薬剤
指定薬剤項目が違えば各々に算定可能ですが、同項目であれば算定は出来ないので重複はしっかり確認しておきましょう。
特定薬剤治療管理料1を算定できる不整脈用剤とはプロカインアミド、N-アセチルプロカインアミド、ジソピラミド、キニジン、アプリンジン、リドカイン、ピルジカイニド塩酸塩、プロパフェノン、メキシレチン、フレカイニド、シベンゾリンコハク酸塩、ピルメノール、アミオダロン、ソタロール塩酸塩及びベプリジル塩酸塩をいう。
例えば、この項目にあるアミオダロンとリドカインを投与した場合、通知で同じくくりになっている薬剤なので特薬の算定は1回となります。
検査のみ来院
指導をした際に算定出来る点数項目なので、診療実日数が0日、つまり、医師の診察がない日に算定は出来ません。
保険請求を行う場合は診察料が発生する日に算定されるのが妥当なものです。
疑い病名
医学管理料ですし、投薬もしてますし、当然ですが疑い病名では請求不可能です。
バンコマイシン
アミノ配糖体抗生物質、グリコペプチド系抗生物質、トリアゾール系抗真菌剤等を数日間以上投与している入院中の患者について、投与薬剤の血中濃度を測定し、その測定結果をもとに投与量を精密に管理した場合、月1回に限り算定する。
バンコマイシンでの算定ですが、ただの炎症性病名や細菌感染症という病名だけで算定をしている場合、査定対象となっているようです。MRSA等の病名が適応と考えられます。
入院中の患者が対象となりますので、外来にて算定は出来ません。意外とこの部分での査定が多いみたいですね。
また、「数日間以上投与」という規定より、投与が1日限りといったものも査定対象になります。
配合錠剤は1銘柄
Q.B001の2特定薬剤治療管理料の通則5に「てんかん患者であって、2種類以上の抗てんかん剤を投与されているものについて…当該管理を行った月において、2回に限り所定点数を算定する。」とあるが、「配合剤」を投与した場合は、配合された成分が複数であることをもって2回算定するのではなく、1銘柄として取り扱い、1回算定するのか。
A.そのとおり。
疑義解釈資料の送付について
(平成25年8月6日)
配合錠剤での指導に関して、2薬剤の管理をしたということで同日2回の算定をしている場合、1回分は査定となります。
1銘柄にて算定を行いますので、配合剤に対する管理料を算定する場合は気をつけましょう。
免疫抑制剤
臓器移植術を受けた患者であって臓器移植における拒否反応の抑制を目的として免疫抑制剤を投与しているもの
特薬の算定対象となる免疫抑制剤とは、臓器移植を行った患者に対するもののみ適応です。臓器移植をしていない患者への免疫抑制剤投与時においては算定できません。
初回月加算
特定薬剤治療管理料1については、臓器移植後の患者に対して、免疫抑制剤の投与を行った場合は、臓器移植を行った日の属する月を含め3月に限り、2,740点を所定点数に加算し、免疫抑制剤を投与している臓器移植後の患者以外の患者に対して、特定薬剤治療管理に係る薬剤の投与を行った場合は、1回目の特定薬剤治療管理料を算定すべき月に限り、280点を所定点数に加算する。
初月加算がある場合には、過去に遡って同じ投薬が行われていないかを確認しておきましょう。過去半年から過去2年間くらい。
4月目以降減算
特定薬剤治療管理料1については、抗てんかん剤又は免疫抑制剤を投与している患者以外の患者に対して行った薬物血中濃度の測定及び計画的な治療管理のうち、4月目以降のものについては、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。
抗てんかん剤又は免疫抑制剤以外で特薬を算定する患者は4月目以降の算定が減算となります。抗てんかん剤又は免疫抑制剤についてはそのまま所定点数で算定していきますが、それ以外の薬剤を継続的に管理している患者については4月目以降算定注意です!
さいごに
査定になりやすい項目を抜粋しておきました。割と通知に忠実な査定が行われているようですね。解説と言えるほどの新しい観点のモノはないですが、こんな感じの事例が多いのではないでしょうか。
時々、短手3後や小入管後の算定だということで査定もあるようですが、その場合は復活再請求にのぞんでみても良いかもしれません。月1回限度の点数として算定が査定されているものと考えられますが。特薬は項目ごとで各々1回ずつ算定可能となっていますし、そのような点数が月1回限度の項目として扱われて妥当かどうか。ビミョーな立ち位置です。