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レセプトで結核菌群核酸検出の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
今日も結核菌関連検査をまとめてみました。
結核菌群核酸検出は複数回実施することも多く、レセプトでもよく見かける検査ですね。
1回の算定は認められていますが、2回目以降の算定については時々査定になっています。そんな査定のパターンを分析していきたいと思います。
結核菌群核酸検出の算定が査定される理由
適応病名
結核病名が必要です。非結核性抗酸菌症病名のみで算定を行ってたりすると、当然ですが査定されます。
非結核性抗酸菌症確定の診療開始日
複数回検査を行っているうちに診断がついたりしますよね。もし確定病名になった場合に注意したいのが、病名の診療開始日です。
確定前においては結核菌群核酸検出も算定可能でしたが、確定病名がついたとたんに算定ができなくなります。
日計表まで見ないとわからないことですが、レセプト点検時にはぜひ気をつけてみてもらいたいポイントです。
MAC核酸検出実施後
「10」のマイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出は、他の検査により結核菌が陰性であることが確認された場合のみに算定できる。
MAC核酸検出は結核菌陰性患者が対象の検査であるため、この検査の実施後、結核菌を対象とする検査である結核菌群核酸検出の算定は不適当と判断される場合があります。
もしも結核菌群核酸検出の前にMAC核酸検出の算定があるようであれば、何らかの摘要記載が必要な症例だと考えられます。妥当性が認められれば、保険請求が認められるかもしれません。
同月内での実施であれば気付きやすいですが、縦覧審査は前月実施分にまで及んでいます。当月と前月のレセプトにおいてMAC核酸検出の算定がないか一度確認しておきましょう。
同日の併算定についても査定対象となり得ます。(抗酸菌分離培養も併算定してたら特に可能性が高い)
疑い病名で外来同月複数回
抗酸菌培養については月複数回行っても認められていますが、結核菌群核酸検出は、2回以上の算定が1回に査定されるものがあります。
「9」の結核菌群核酸検出は、核酸増幅と液相ハイブリダイゼーション法による検出を組み合わせた方法、LCR法による核酸増幅とEIA法による検出を組み合わせた方法、LAMP法又は核酸増幅とキャピラリ電気泳動分離による検出を組み合わせた方法による。なお、結核患者の退院の可否を判断する目的で、患者の病状を踏まえ頻回に行われる場合においても算定できる。
でも、通知をよく見てみると、結核患者の退院可否を判断するためには認められるというものです。
結核確定患者であれば複数回行うのも可能と考えられますが、疑い病名の患者に対する複数回算定を保証している通知ではありませんので気をつけましょう。
入院と外来の算定で比べてみると、外来で実施した検査のほうが査定される可能性が高いみたいですね。
恐らく、結核菌感染の可能性がある患者を自宅に帰して、外来にて再度検査を複数回繰り返すっていう診断の流れは考えにくいという判断ではないでしょうか。
もし確定病名を持つ患者となれば早急に隔離が必要となる感染症です。
入院中であれば、結核菌感染の可能性が否めないため継続して検査管理を行っているとも捉えることが出来ますが、外来算定については複数回は難しいものではないでしょうか。
もしどうしても2回以上行うようであれば、検査の経緯を摘要記載して妥当性を訴えてみてください。連月で行った場合も同じような考え方で審査される可能性がありますので、注記しておいたほうがよさそうです。
査定の傾向がない場合は特に記載しないほうがいいです。かえって目をつけられてしまいますので。
結核菌特異的γインターフェロン産生能後、疑い病名で検査
D015「28」の結核菌特異的インターフェロン-γ産生能は、診察又は画像診断等により結核感染が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。
この検査を行うことで感染有無を知ることが出来るようなので、確定診断がつく可能性が高いです。ゆえに、疑い病名のまま、その後に行う結核菌群核酸検出は過剰と判断されるみたいですね…。
結核菌特異的γインターフェロン産生能検査数値によっては診断保留となる場合もあると思いますので、その場合は摘要記載にそのことを書いた方が良いと思います。
もしも査定になった場合は、解釈の候補として参考にしてみてください。
複数回が比較的認められている場合
レセプトを見た際の患者の免疫力低下状態に注目してみてください。
免疫抑制状態の患者や化学療法中の患者は免疫力が低下しやすく、易感染状態となってしまいます。そういった患者は、陰性となった場合でもその後の経過を見守る必要があり、定期的な感染チェックが必要なのです。この場合においては、比較的保険算定は認められているように見受けます。
もしそのような免疫低下状態が見受けられない患者であれば2回目の算定が査定される可能性が高いです。
さいごに
一定の見解がなくて見極めが難しいですが、審査目線の判断材料をレセプトに示していけると査定も減るのではないでしょうか。