レセプトで抗酸菌同定の算定が査定される理由

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

今日は結核菌関連の検査についてまとめて行こうと思います。

私もレセプト点検の時、少し見るのが苦手な分野ですが…。ちょっと掘り下げてみますね。

査定傾向を見てみると、審査の着眼点と思しき部分がいくつかございました。

全ての事例に共通するかは分かりませんが、お話していきたいと思います。

目次

抗酸菌同定とは?

結核、非結核の鑑別にもなる検査です。

抗酸菌陽性が出た患者に対して、起因菌を同定するために行います。

結核菌を含む抗酸菌の多種同定に有用な検査なので判別で使われていることが多い検査。結核菌も非結核性の菌も両方調べられるらしいです。

抗酸菌同定の算定が査定される理由

病名が1つのみ

結核と非結核を鑑別する目的に行うものでの意味合いが強いためか、レセプト請求の際には病名が2つ必要であるようです。(結核病名と非結核性病名)

1つのみの病名である場合、鑑別目的に該当しないと判断されて査定になる可能性があります。

ですが、この場合はルールに書いてある部分ではないので復活再請求をしてみてもいい症例ではないかと思います。(審査結果は分かりませんが)

結核あるいは非結核性抗酸菌症などの疑い病名が片方でもあれば、加療していくには鑑別・同定検査は当然のもの。そりゃ、この関連の病名が1つも無いのであれば査定されても文句は言えませんが、病名があるのならば鑑別目的であることを類推出来ないとは言い切れませんし。

もしも疑い病名で実施していた分に関して査定された場合は、鑑別目的でやったことを主張してみてはいかがでしょうか。

ただ、結核確定病名のみでやっていたものが査定となった場合ですが、この場合は復活再請求は難しいかもしれません。臨床的に結核菌の可能性が高いと判断される場合においては結核菌群核酸検出等にて検査を行う方が妥当であり、鑑別の意味が強い抗酸菌同定の検査は過剰と捉えられてしまいます。

結核菌特異的インターフェロン-γ産生能実施後

結核の疑い病名1つだけの患者に対して、結核菌群核酸検出や抗酸菌分離培養の実施あり。併せて結核菌特異的インターフェロン-γ産生能検査も。

結核病名が疑いのまま、後日、抗酸菌同定を実施。

このような症例では、抗酸菌同定が過剰という判断になり、査定となります。

こあざらし
結核菌特異的インターフェロン-γ産生能を測れば、結核菌との接触有無が分かります。

補助診断用の検査ではありますが、結核菌群核酸検出や抗酸菌分離培養検査も実施済みです。組み合わせて検査を行っているものは、かなり精密な結果が出ているはず。

結核の疑いに対する検査を一通りやって陰性の結果を得ているのですから、それより先の検査に進もうとするのであれば、非結核性抗酸菌症の可能性がある患者が対象となってきますよね。

ゆえに、この場合は非結核性抗酸菌症の疑い病名が欲しいところです。

結核の疑い病名のみでは抗酸菌同定までの算定は難しいため、摘要記載か病名でしっかり必要性が伝わるようにしておきましょう。

2病名とも疑い病名

結核病名・非結核性病名の2病名がある場合でも査定になっちゃう時があるみたいですが…。

2病名とも疑い病名である場合、査定となるケースがあるようです。

抗酸菌の同定というくらいですからね…。結核菌か非結核性抗酸菌症か一方は確定診断がつくでしょうという判断なのでしょうか。おおよそ菌種も特定出来る検査のようですし、確かにどちらか確定診断がつきそうな検査ではあります。

そのため片方が確定病名でない場合は認めないっていう審査自治体もあるみたいですね。

こあざらし
検査実施したとしても確定診断がつかない場合もあると思いますので、その場合は摘要記載にて検査の詳細を記しておいた方が良さそうです。
2病名とも確定(合併症例)

結核菌も非結核性抗酸菌も両病名が確定。つまり、合併症例ですね。

この場合は持続的な鑑別が必要な症例ですので、保険請求が認められているようです。

さいごに

結核菌関連検査は算定基準が分かりづらくて、査定も多くなりやすい部分です。症例ごとによってパターンが異なるので審査は一定ではありませんが、査定となった場合の多くがこのような状況に思えます。

医者ではないので医学的部分には疎いですが、査定より分析してみました。レセプト請求の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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