検査・病理

レセプトで特異的IgE半定量・定量が査定される理由

2018年9月7日

こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

今日は、アレルギー検査で行われる特異的IgE検査の査定についてまとめたいと思います。


特異的IgE半定量・定量とは?

アレルギー症状の原因となっている抗原を同定する診断補助検査です。

特異的IgEが査定される理由

同日2回

算定をするときに2種類を2回分として110点×2回というふうに算定してしまうと査定対象となってしまうことがあります。重複算定をしてしまったのだと思われてしまうのですね。複数抗原の算定をする場合には気をつけましょう。220点×1回となるように算定を!

こあざらし
ただし、この場合の査定であれば、算定誤りなどで重複ということでなければ、2種類行った旨を記載して復活再請求してみても良いかもしれません。

複数抗原は1430点限度

特異的IgE半定量・定量検査は、特異抗原の種類ごとに所定点数を算定する。
ただし、患者から1回に採取した血液を用いて検査を行った場合は、1,430点を限度として算定する。

1430点なので13種類の算定となりますね。13種類を超える点数の算定は出来ませんので注意しましょう。

連月

連月や同月に2回算定を行っている場合は、1回に査定になる可能性が高いです。

算定間隔が狭くなっている場合は、その必要性を注記した方がよさそう。

同じ抗原に対する検査だとコメントなどで確認できる場合は2回目の算定が査定される可能性大です。

採取料なしの場合

採取料がない形で請求を行っていると、前回検体を使用していると判断される場合があります。その場合、査定となってしまうケースがありますので、血液採取料の算定漏れには気をつけましょう。

アレルギー性皮膚炎

Ⅰ型アレルギー疾患(気管支喘息、鼻アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など)の診断をするために実施されたものが適応です。

アレルギー性(接触性)皮膚炎は、Ⅳ型アレルギー(遅延型)に属するため、特異的IgEの算定では認められないという解釈があるみたいですね。

鑑別という意味で実施したと判断してもらえる場合もありますが、なるべくⅠ型アレルギー疾患病名の記載がある方が好ましいようです。もしⅠ型アレルギー病名が入らない場合は、摘要記載で特異的IgE半定量・定量検査の必要性をアピールした方がいいかもしれません。

こあざらし
アレルギーには4つの型があります。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと分かれており、それぞれ検査方法が異なります。査定される場合、この部分が絡んできてるものもありますので、基礎知識として知っておくと良いと思います。
アレルギー反応の分類
  同義語 抗体
Ⅰ型反応 即時型 IgE、IgG4(?)
Ⅱ型反応 細胞障害型 IgG、IgM
Ⅲ型反応 免疫複合体型 IgG、IgM
Ⅳ型反応 遅延型 感作T細胞

[Ⅰ型アレルギー]
Ⅰ型アレルギーは、即時型アレルギー、アナフィラキシー型とも呼ばれ、皮膚反応では15分から30分で最大に達する発赤・膨疹を特徴とする即時型皮膚反応を示す。関与する免疫グロプリンはIgEであるが、一部IgG特にIgG4(short term skin sensitizing IgG: STS-IgG)も関与するといわれる。Ⅰ型アレルギー反応による代表的疾患にはアトピー型気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんましん、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックなどがある。

[Ⅱ型アレルギー]
Ⅱ型アレルギーは、細胞傷害型ないしは細胞融解型というべきもので、細胞および組織の抗原成分、または細胞および組織に結合したハプテンのいずれかとIgGまたはIgM抗体が反応し、そこに補体が結合することにより細胞障害を起こす。また、細胞膜抗原に結合したIgG抗体に対して、IgGFcレセプタ一をもったマクロファージ、K細胞(キラー細胞)などが結合して標的細胞を傷害する抗体依存性細胞性細胞傷害(antibody dependent cell mediated cytotoxicity: ADCC)もⅡ型に含まれる。赤血球、白血球、血小板、リンパ球などの血液細胞が標的細胞となり、腎や皮膚組織の基底膜抗原が標的となる。Ⅱ型アレルギーの代表的疾患としては、不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、薬剤性溶血性貧血、願粒球減少症、血小板減少症、Goodpasture症侯群などがある。

[Ⅲ型アレルギー]
Ⅲ型アレルギーは、免疫複合体型またはArthus型とも呼ばれ、可溶性抗原とIgGまたはIgM抗体との抗原抗体結合物いわゆる免疫複合体(immunecomplex)による組織傷害である。皮膚反応では皮内注射後3~8時問で最大となる紅斑・浮腫を特徴とする炎症反応を示す。Ⅲ型による疾患としては血清病、SLE、RAをはじめとする諸種自己免疫疾患、各種糸球体腎炎、過敏性肺炎(Ⅲ+Ⅳ?)さらにアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(Ⅰ+Ⅲ+Ⅳ?)などがあげられる。

[Ⅳ型アレルギー]
Ⅳ型アレルギーは遅延型アレルギー、細胞性免疫、ツベルクリン型とも呼ばれている。皮膚反応では、抗原皮内注射24~72時間後に紅斑・硬結を特徴とする炎症反心を示し、反応が強い場合は潰瘍を形成することがある。本反応は感作T細胞と抗原との反応により、感作T細胞からサイトカイン(cytokines)が放出され細胞傷害を起こす。また、K細胞(killer Tまたはcytotoxic Tcell)によるウイルス感染細胞、腫瘍細胞、移植組織片に対する直接傷害も含まれる。Ⅳ型による疾患としては、アレルギー性接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎(?)、過敏性肺炎(Ⅲ+Ⅳ?)などがあげられ、さらに結核性空洞、癩やサルコイドーシスの類上皮細胞性肉芽腫病変、天然痘・麻疹の発疹などもⅣ型反応と考えられている。

厚生労働省『アレルギー総論』より抜粋改編

疑い病名

大抵、非特異的IgE半定量・定量にて陽性を確認して抗原の同定検査に進むという流れでしょうか。アレルギー症状が確定していないのに抗原を特定するための精密検査を行うのは過剰と考える審査があります。

症状が重症だという例に関しては急を要するものなので精査も認められるとは思いますが、それ以外の場合は査定対象となる可能性があるようですね。

ただし、審査自治体によって判断が異なるので微妙。診断月や初診時については診断鑑別のため必要なものという判断もありますので、もしこのケースで査定となった場合は必要性をアピールして再請求してみても良いかもしれません。

食物アレルギー

食物アレルギー病名のみで検査を行った場合、特異抗原の種類の中にハウスダストやヤケヒョウダニなどが含まれていると、その抗原分だけ査定になることがあります。食べ物ではないという意味だと思います…。

こあざらし
通知に書いてるわけではないけど、食物アレルギーの場合はアレルギー抗原が食べ物かどうかを確認した方が良いかも。

抗原名限定

例えば、ダニアレルギー病名がある患者に対する検査の算定ですが、この場合、抗原はその1種類のみの算定となります。

症状病名であれば数種類の算定は可能ですが、ダニアレルギー病名のみで数種類もの抗原の請求は出来ませんので気をつけましょう。

また、抗原検査コメントで「ダニ」と記載している症例においても、他抗原の記載がなければ1種類の実施と判断され、複数算定の場合は査定対象となります。

同日に非特異的IgE半定量・定量

同日に、非特異的IgE検査を行っている場合、その結果が陽性になったのち、次の抗原同定検査に進むのが妥当という審査があります。そのため、特異的IgE半定量・定量の算定が過剰という判断になり査定されちゃうんですね。一般的に検査結果が出るまでに数日を要する検査だと思われますので同日は…。

アレルギー症状が強いなど急性・重症を思わせるものに関しては、認められているものと思われます。また、初診時や診断月においても…。

急性期においては鑑別が必要な疾患なので両検査の実施はほとんど認められているようですが、少数の査定もありますので書き残しておきます。

こあざらし
復活できるかは分からないですが、再請求してみても良いかもしれません。

同日にアトピー鑑別試験

「21」のアトピー鑑別試験定性は、12 種類の吸入性アレルゲン(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ギョウギシバ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、シラカンバ(属)、スギ、カンジダ、アルテルナリア)に対する特異的IgEを測定した場合に算定する。

アトピー鑑別試験の抗原と特異的IgEでの検査抗原が同一の場合は重複してますので片方査定となります。

さいごに

特異的IgEと関連が深い 非特異的IgE検査、アトピー鑑別試験、HRT、TARC についても、次の機会に査定パターンをまとめたいと思います。

レセプトで非特異的IgE半定量の算定が査定になる理由

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こあざらし

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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