どの部位が適応?レセプトで真皮縫合加算の算定が査定される理由

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

にゃこ
よく分かんないけど真皮縫合加算が査定になっちゃったー。
こあざらし
実は、古き日の事務連絡が審査に生きてるんだよね。

今日は前回の創傷処理の算定が査定になる理由に引き続き、真皮縫合加算について査定事例をまとめていきますね。

目次

真皮縫合加算の算定が査定される理由

ステリストリップ(皮膚接合用テープ)による固定

ステリストリップテープとは

切り傷や手術創などを閉鎖・固定するために用いる粘着テープです。傷口の閉鎖を補助するもので、縫合糸の代わりに皮膚接合目的・補助目的として使用されています。

このテープで固定している場合、真皮縫合加算は査定される傾向にあります。

そもそも真皮縫合は傷口を目立たないように縫う手技なので、テープ固定をしている傷口は対象外と考えられますね。

麻酔薬剤算定なし

麻酔薬剤の算定がない場合や点数が発生しないほど少量の麻酔での施行という場合は、真皮縫合加算の算定が過剰とされることがあります。

真皮縫合するのに麻酔無しってどうよ?という考えなのでしょう。

ですが、患者個人で麻酔の効きは違うと思いますし、麻酔量で算定の可否が決まるのはなぜって感じ。算定要件にも書いてないのに、ちょっと納得がいかないですね。

もし麻酔薬剤の算定無くてという場合で査定になっているものがあれば再請求してみてもいいと思います。実際に真皮縫合したのであれば、麻酔量にも触れながら詳記をつけて再度請求を行うといいのではないでしょうか。

露出部以外

真皮縫合を伴う縫合閉鎖を行った場合は、露出部の創傷に限り460点を所定点数に加算する。

つまりは、露出部以外への算定はできません。

こあざらし
「露出部」とは、頭部、頸部、上肢にあっては肘関節以下及び下肢にあっては膝関節以下をいう。

真皮縫合加算を算定するにも露出部であることが要件となります。大腿部などに対する算定が意外と間違いやすいようなので気をつけましょう。

また、カテーテル抜去についても創傷処理で算定しますので、カテーテルの部位が露出部なのかどうか確認忘れのないように。

露出部でも算定不可な部位

  • 手掌
  • 眼瞼
  • 指・趾
  • 頭部(前額部以外)

これらの部位については大昔の事務連絡にて算定不可な部位として明示されています

創傷処理における露出部に該当する部分もあるが、実際問題として医学的に真皮縫合を行わない部位がある。

事務連絡の一節にこのような文面があります。いくら露出部であっても、医学的に行わない部位であれば査定対象となってしまうでしょう。

眉毛部についても査定されますが、そういった解釈から査定になっているものと思われます。

(問29)K000創傷処理等の真皮縫合加算における露出部の範囲について、足底部が算定できることとなったが、踵についも算定できるか。
(答)算定できる。平成24年8月9日事務連絡

平成24年8月9日事務連絡

踵や足底部も元々は算定不可の方に分類されてたのですが、改定事務連絡にて算定が可能な部位になっています。

他術に対する加算

真皮縫合加算は創傷処理や小児創傷処理に対する加算点数です。その他の術式に対しては算定できませんので気をつけて確認しましょう。

皮膚切開術などには、うっかりと加算をつけてしまいそうですけど、ルールに規定がないため算定はできません。

打撲傷や擦過傷

‟傷”という病名は非開放性の疾患と考えられ、開放性の“創”とは異なります。

この解釈より、非開放性疾患であれば真皮縫合処理は不要と考えられます。そのため真皮縫合加算の算定を行っていると査定されるケースがあるようです。

さいごに

創傷処理の査定事例と合わせて勉強しておくと、査定事例を減らせると思います。医学的な部分での判断は難しく、審査差異がありますが真皮縫合加算についてまとめてみました。

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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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