経皮的シャント拡張術・血栓除去術が査定される理由

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

今日は以前書いていた記事に追記して、新点数を含めながらお話しようと思います。

こあざらし
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術の査定理由と点数改定についてまとめました。
目次

経皮的シャント拡張術・血栓除去術が査定される理由

3月に1回

規定により「3月に1回に限り」と通知されていますので、3月以内に同部位に対して再度算定があると、材料を含めて全査定となります。

手術自体をやってはいけないという規定ではないので、手術実施はやっていただいても構いません。ただし、保険での点数評価がそのように規定されているため、何回やったとしても3ヶ月に1回しか請求が出来ないといった具合ですね。

他病院から転医した場合もこの期間は引き継ぎます。

こあざらし
他術式で準用した場合でも、目的が同じと判断された場合は3か月以内の手術費用は査定されます。

令和2年の改定にて、3月以内に2回目を実施した場合の点数が開設されました。

ただし、この新設点数は、誰でも算定出来るというわけではありません。

(ア) 透析シャント閉塞の場合

(イ) 超音波検査において、シャント血流量が400ml以下又は血管抵抗指数(RI)が0.6以上 の場合(アの場合を除く。)

「ア」や「イ」に当てはまる患者に関しては、3月以内でも2回目の算定が出来ることとなりました。

このいずれかに該当する患者でなければ3月以内の算定は出来ません。

また、算定する際には

  • 前回初回手術の算定日
  • 要件を満たす画像所見等の医学的根拠

の摘要記載が必要となりました。

こあざらし
3月以内に3回以上の実施があった場合、3回目以降の点数は算定できないことが令和2年3月31日の事務連絡で示されました。

3月に1回の解釈とは?

暦月によるものです。日付から日付ではありません。ごく稀に日付からだという自治体もあるようですが、大部分はこの解釈に落ち着いてるようです。例えば4月に一度手術をした患者に対して次の手術を算定出来るのは7月から算定可能です。日付は関係ありません。

Q. 区分番号「K616-4」経皮的シャント拡張術・血栓除去術について、 「1」は3月に1回に限り算定するとあるが、この3月とは算定した日を含め、当該算定日から90日を指すのか。

A.その通り

令和2年4月16日事務連絡

令和2年4月16日事務連絡より、暦月ではなく、算定日を起算に90日で数える形になったことが示されました。

今まで暦月で審査されていましたが、この事務連絡が出たことによって解釈が変わると思います。

こあざらし
手術算定日を起算に90日で数えます。90日以内の再算定は要注意です。

3ヶ月以内で算定出来ると考えられる別パターン

3ヶ月以内で算定出来る場合は、新設点数に限らずです。

手術箇所が全く異なる場合、これも3月以内でも2回目の算定が可能です。

前回は右腕だったけど、今回は左腕になったという場合などで、その行為が医学的妥当性があれば認めてもらえるのです。その場合は摘要記載や症状詳記を充実させるように心がけて下さい。

ただし、一度算定すればそこから3ヶ月以内は同部位の再算定は出来なくなりますので、前回算定日と算定部位には注意してみましょう。

カテーテル材料の有無

「PTAバルーンカテーテル」

この材料がない場合は、他術式の算定に振替査定されます。もしくは全査定となりますのでご注意ください。

この材料を運悪く請求漏れしてしまった…なんてことがあると、手術手技料が査定となる恐れがありますので、この部分はレセプトの確認をしっかりとしたほうがいいですね。

こあざらし
材料の算定漏れには要注意!

PTAバルーンカテーテルの査定

PTAバルーンカテーテルの定義を確認してみましょう。

冠動脈、心臓を除く動脈若しくは静脈若しくはシャント狭窄部の拡張又はステントを留置する際の後拡張を目的に、経皮的に使用するバルーンカテーテル又は脳機能検査及び脳血管スパズムの治療を目的に使用するマイクロバルーンカテーテルであること。

この定義に沿わない用法と判断されれば査定対象となります。

使用される臓器は保険承認を受けている通知の部位でしょうか?

目的は用法通りでしょうか?

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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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