検査・病理

レセプトで抗酸菌分離培養の算定が査定される理由

2019年1月14日

こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

今日は抗酸菌分離培養検査について書きます。

抗酸菌検査は、いくつか過去記事(抗酸菌同定MAC核酸検出結核菌群核酸検出)でまとめていたのですが、肝心な抗酸菌分離培養がまだでしたね。

抗酸菌分離培養って1日に複数回カルテオーダーがあったり、連日だってあるんだ。これって全部算定しても大丈夫かな?
にゃこ
こあざらし
通知と照らしながら、審査傾向を分析してみよう。

結核が疑われるときに頻繁に実施される検査、抗酸菌分離培養。この検査に関する査定解釈についてまとめたいと思います。

抗酸菌分離培養の算定が査定される理由

同日3回(同日に複数回)

抗酸菌分離培養検査は、検体の採取部位が異なる場合であっても、同時に又は一連として検体を採取した場合は、1回のみ所定点数を算定する。

検体別に算定(胃液・喀痰など)している場合がありますが、同日の場合、算定ルールにもある通り、複数箇所から採取を行ったとしても一連として算定しなくてはなりません。

検体別に認めている自治体もあるようですが、同日の場合は主たるものの算定になる傾向にあります。

(それ以外のもの)と(液体培地法)

抗酸菌分離培養(液体培地法)は、液体培地を用いて培養を行い、酸素感受性蛍光センサー、二酸化炭素センサー又は酸化還元呈色色素を用いて検出を行った場合に算定する。

液体培地の中にもたくさん種類がありますね。

ゆえに、抗酸菌分離培養(液体培地法)抗酸菌分離培養(それ以外のもの)の同日算定を行う場合も実務では有り得ると思います。

検査の方法が違えば算定できるよね?
にゃこ
こあざらし
確かに、複数種類の方法で行った場合についてははっきりとした規定はないね。だから、審査の判断も分かれてるみたい。

では、算定が認められない場合の根拠とはどの部分から解釈されているのかというお話ですが。

  • 「・・・同時に又は一連として検体を採取した場合」に該当すると解釈。
  • (検査通則・通知)同一項目について検査方法を変えて測定した場合には、測定回数にかかわらず、主たる測定方法の所定点数のみを算定する。
  • 同日検査による結果差異がないと考える過剰性。

この3つのどれかに該当すると考えられるためではないでしょうか。

結核の疑い病名で3連日

疑い病名で同月に3回以上の検査を算定している場合、査定があるものもあります。しかしながら、これは少数です。

抗酸菌分離培養には特に算定上限は設けられていないため、審査医師の裁量と点数表解釈の仕方によります。

3連日に関しては、日を異にしていますので一連には該当しないと解釈出来ます。

3日連続の検査を行う連痰法は、1回の検査では十分に菌が検出されない恐れがあるため行われるものですが、結核診療において推奨されている回数です。

もし査定となった場合は、必要性を追記して請求し直してみてもいいかもしれません。

こあざらし
恐らく一連の解釈によって審査結果が変わってしまうんだと思う。

同日だと「一連採取だ」と言われてもなかなか言い返しにくいですが、日が異なっている3連日に関していえば独立した診療行為なので認めてほしいですね。(願望)

たくさんのレセプトを審査していると、どうしても他の検査と同じように考えてしまいますから。

他の検査であれば、連日実施ということであれば過剰というイメージがあり査定されるものがあるじゃないですか。

その考え方で審査されているのであれば、過剰とされ、査定となる可能性もあるというわけです。

同一起因菌精査のための複数回算定は?

日が異なっていても同一目的で採取された検体だから一連だという考え方もあります。所期の目的が一緒か?っていう保険点数の例の考え方…。

ですが、今回の検査項目については、採取が同時か一連かとしか書いていません。

細菌培養同定には具体的に算定の通知がありますが、この抗酸菌分離培養については同一起因菌精査に関する通知はありません。

微生物検査の中で混同してしまいそうになりますが、算定ルールが異なるため算定可能と考えられます。

結核の疑い病名で連月

複数回算定については前述した通り、患者の状態によって判断が異なります。

疑い病名にて外来で経過観察を行っている場合は過剰と判断されるケースがあるようです。

免疫低下などが見受けられない、レセプト病名も少なく症状の重症さうかがえないレセプトについては査定になりやすいように見受けます。

全てが疑い病名で確定病名が1つもないという場合も、結局は検査病名をつけただけと判断され、査定されてしまうこともあります。

外来で経過観察しているところより見ても、結核の可能性が低いのに検査を連月「結核の疑い」のみで行っているのは過剰と判断されかねないです。

他の抗酸菌を疑っての追加検査ではないでしょうか?確認してみましょう。

抗酸菌に関する病名なし

病名に、抗酸菌を疑う病名や結核病名がない場合、査定対象となります。

よく有り得るのが細菌感染症・真菌感染症のみで算定している場合です。

  • 細菌・真菌→細菌培養同定
  • 抗酸菌・結核菌→抗酸菌分離培養

検査ごとに適応とされている菌種が異なりますので、しっかりと覚えておきましょう。

検体種類に対する病名部位が異なる

結核の検体は全身の色んな部位から採取できます。

レセプトでは結核病名が部位的に記載されている場合もありますよね。

分かりやすい例でお話しすると

便検体なのに肺結核病名のみ

謎です。

なぜ、肺という部分が特定できたのでしょう…となってしまいます。

こんな査定も有り得るというお話です。

病名に部位が入ってるものに関しては、検体に対しても気を配りましょう。

こあざらし
検体と病名部位が一致してる?

抗酸菌分離培養の算定が比較的認められているパターン

結核病名確定後

抗酸菌分離培養検査は、結核患者の退院の可否を判断する目的で、患者の病状を踏まえ頻回に行われる場合においても算定できる。

病名確定後であれば通知にも規定されているとおり複数回算定は保険請求上も概ね認められています。ただし、急性期の時に短い間隔で算定を行っている場合はいくら通知で認められているからといっても過剰となるので気をつけましょう。

疑い病名の時と異なり、今度は退院に向けて、菌がいなくなってるかを観察していくわけですから。治療効果がそんなにも急激に反映されることはないだろうという判断ではないでしょうか。

算定回数が多いけど間隔が近いなという症例に関しては、必要性を記載したほうがいいかもしれません。(査定されているなら)

特に査定されていない場合は敢えて記載はしないほうがいいです。逆に目をつけられますので。

また、入院しているという場合は、ある程度、結核の可能性が高いからと考えられる診療です。急性期、診断前に関しては何度も検査を行うのは当然のことなので概ね認められています。

細菌培養同定と抗酸菌分離培養

それぞれに別の病名を疑って行われているものであればそれぞれ同日でも算定可能と考えられます。しかしながら、いかにも検査病名とうかがえるような病名の付け方をしていると、もちろん主たるものとして査定になってしまいますので気をつけましょう。

さいごに

抗酸菌分離培養についての審査は、特に医学的な判断が強めです。一定の審査ではないようですので、医療事務員がどうこうできる部分ではないですが、最低限、病名や必要性の詳記については考えていけたらいいですね。

  • この記事を書いた人

こあざらし

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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