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質問回答|ガストログラフイン使用のCT造影剤使用加算算定は可能か?その他諸々。
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
いつもはメールでお返事をさせていただいているのですが、記事として返答をご希望されましたので、こちらにて回答したいと思います。
[質問]ガストログラフイン使用のCT造影剤使用加算算定は可能か?その他諸々。
病名(潰瘍性大腸炎)から見て70コードで、ドレーン造影、造影剤加算(ガストログラフイン経口注腸造影剤)実施とCT撮影をしていました。院外処方箋ではラコール栄養剤を処方しています。
ラコールを渡しているので、この事から考えていけば、胃瘻を行なっている患者ではないのでしょうか?
ガストログラフインは経口造影剤なので、口から飲むから造影剤加算が算定不可能ではないでしょうか?(自分が明確に注腸造影や透視診断時の注射造影手技料算定を理解できていないかもしれません。)
そして、ドレーン造影とは、何なのでしょうか?お時間あれば記事として説明をいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
こあざらしの回答
つまづきポイント
- ラコールを渡していれば胃瘻患者なのではないか?
- ガストログラフインは経口造影剤なのでCT造影剤使用加算が算定できないのではないか?
- ドレーン造影とは何か?
私も医学的部分は疎いので質問内容について自分なりに調べてみました。私の解釈が合ってるか少し自信がないですが、算定する時のイメージが出来る程度にお伝え出来たらいいなと思います。
ラコールを渡していれば胃瘻患者なのではないか?
- ラコールNF配合経腸用半固形剤
- ラコールNF配合経腸用液
ラコールには上記2種類の薬剤が存在します。
それぞれの添付文書を確認しますと、“半固形剤”に関しましては胃瘻から投与することとされており、半固形剤の使用であれば胃瘻患者という判断になるかと思います。
また、“液”に関しましては添付文書を確認しますと、胃瘻または腸瘻から投与することとされており、経口摂取可能な場合に関しても1回もしくは数回に分けて投与することが可能との記載があります。そのため、液の使用であれば、胃瘻、腸瘻、または経口摂取の患者という判断になります。
ラコールの半固形剤の使用があれば胃瘻患者との解釈をしても良いと思いますが、液の使用であれば必ずしも胃瘻患者ということではないと思いますのでカルテなど確認してみてください。
過去のレセプトを遡って確認すると、胃瘻患者であれば、胃瘻に関する病名や処置が存在すると思います。
ガストログラフインは経口造影剤なのでCT造影剤使用加算が算定できないのではないか?
まずは、通知を確認してみます。
通知「注3」に規定する「1」のCT撮影における「造影剤を使用した場合」とは、静脈内注射、点滴注射、腔内注入及び穿刺注入等により造影剤使用撮影を行った場合をいう。ただし、経口造影剤を使用した場合を除く。
経口造影剤を使用している場合は、CT造影剤使用加算の算定対象者から除外されています。
ガストログラフインは販売名がガストログラフイン経口・注腸用となっています。
用法に関しましても、経口投与と注腸投与に分かれており、実はどちらにも適応があります。
注腸について「注」に明記はされていませんが、静脈内注射、点滴注射、腔内注入及び穿刺注入等により造影剤使用撮影を行った場合より、注腸が否定される通知にはなっていませんので、注腸の場合でも算定できると思います。
用法が2通りありますので、実際に行われたものが経口投与なのであれば、CT造影剤使用加算は算定対象外になると解しますが、今回、大腸が撮影対象器官となっておりますので、レセプト書面上だけでは非常に判断が難しい症例です。
注腸造影撮影の場合、カテーテルチューブなどを通して造影剤を体内に注入し、薬剤を腸壁に行き渡らせます。そして、そのチューブを通して空気を入れ、腸管を風船のように膨らませて腸壁を観察するというものです。
なので、直腸チューブの算定をしている患者が、注腸をしているという見分け方もあるものの、このチューブを算定していない場合もあるかと思いますので、一概に材料の有無だけで判断はできません。
下部消化管検査では、経口投与も注腸投与も有り得るようなんです。
ちなみに胃であれば、ほとんどの場合が経口投与です(胃瘻から投与など例外もあるが)。胃に対しての撮影でガストログラフインの使用があれば、CT造影剤使用加算の通知から判断して査定される可能性大です。
算定できるか否かは、経口投与か注腸投与かにかかっています。
もしも経口投与によるものでないのであれば、その旨を注記しておいた方が査定防止につながるのではないかと思います。
ガストログラフイン=経口造影剤のイメージが強いので。
ドレーン造影とは何か?
ドレーン造影というのは、術後留置したドレーンチューブを利用した造影方法のことです。
ドレーンは本来、体内の膿を排出するために留置されているものと思いますが、このドレーンから逆に造影剤を注入する方法です。
術後ドレーン留置部位周辺に膿瘍の形成が見られたり、縫合不全といった症状が見られる場合、その原因を確認するために造影撮影にて確認し、ドレーンが感染源であった場合などは抜去という判断になるようです。