質問回答|ヘリコバクターピロリ胃炎とヘリコバクターピロリ感染症の区別はどうしたらいいですか?

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

読者の方からレセプトの算定について質問がありましたので、回答をシェアします。

目次

レセプトの算定に関する質問

ヘリコバクターピロリ胃炎とヘリコバクターピロリ感染症の区別がよくわからず、モヤモヤしています。とりあえずピロリの検査をしたら感染症病名を入れ、除菌を始めたらピロリ胃炎を入れてますが、どうなのでしょうか?

こあざらしの回答

ヘリコバクター・ピロリ胃炎とヘリコバクターピロリ感染症の区別について分からないということですが、

  • ヘリコバクター・ピロリ胃炎はヘリコバクター・ピロリ感染症+胃炎の両方を持ってる人→ ヘリコバクター・ピロリ感染による胃炎がある患者
  • ヘリコバクター・ピロリ感染症は単にヘリコバクター・ピロリ感染症だけを持っている患者さんだということを示す病名

使い分けなんですけども、ピロリの取扱いに関しては、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱い というものがあり、これを参考にして解説します。

注目していただきたいのが、対象患者の部分です。

ピロリの検査を保険請求するには保険給付対象患者でなければなりません。

となると、例えば今回言われるような胃炎で条件を満たす場合とは、どんな場合なのかを把握しなくてはなりません。

胃炎が絡む通知を探しましょう。

⑤内視鏡検査で胃炎が確定していることが必要となります。

必要な病名は、ヘリコバクターピロリ感染症(確定or疑いのどちらか)胃炎(確定)2つが必須となります。

これらが2つあればピロリ検査の保険請求が認められます。

なので、検査でピロリがいて感染症が確定になればヘリコバクター・ピロリ胃炎という病名が入ることもありますし、ヘリコバクターピロリ感染症による胃炎でなければ、感染症と胃炎がバラバラに入ることもあります。

これは医師の判断なのでどっちになるかは診断次第です。

私たちが気をつけなければならないのは、保険請求が通る条件に合致しているかを点検することですね。

検査の取扱い通知より、ピロリ感染病名自体は疑いでも構わないんですけど、除菌を開始する際にはピロリ感染していることが絶対条件なので確定病名が必須です。

当然と言えば当然ですが。

対象患者の部分を満たしたピロリ確定患者が保険適応のあるものとなります。

胃炎がある患者であれば、
ヘリコバクターピロリ感染症と胃炎の2つの病名。

もしくはヘリコバクターピロリ胃炎の病名があれば除菌治療の算定が保険請求可能です。

質問者さま
ありがとうございます。ちなみに、ピロリの除菌後、除菌判定で陰性が出て除菌成功したらピロリの病名はもう中止にしても大丈夫でしょうか?
こあざらし
ピロリの除菌成功し治療が終了。一応診察終わりでその病名について経過観察の必要は特に無いということであれば、転帰の「中止」ではなく、「治癒」で記載されたら良いと思いますよ。
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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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