在宅医療

令和2年改定後の導入初期加算「処方内容に変更があった場合には1回限り算定」のレセプト算定解釈とは?

2020年8月9日

こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

レセプト算定に関する記事リクエストで、在宅自己駐車指導管理料の導入初期加算について書くことにしました。

レセプト算定に関する記事リクエスト事例

医療事務お助け企画 ありがとうございます🙇‍♀️
質問者さま

導入初期加算について質問したいのですが「処方内容に変更があった場合には1回限り算定出来る」と言うことで処方内容変更時に導入初期加算を算定していました。

先月、支払基金より4月から処方内容変更では加算不可という連絡がありました。

診療点数早見表を見てもそのような記載はなくいつ改正されたのか分かりません。

いつ改正されたのでしょうか?まだまだ知らない事ばかりです。よろしくお願いします。

査定された薬剤変更ですが、

  • トレシーバ注→ライゾデグ配合注
  • ランタス・ノボラピッド→トレシーバ・ヒューマログミックス
  • トルリシティ皮下注→ライゾデグ配合注等。

こあざらしの考察

記事リクエストありがとうございます。お助けになるか分かりませんが、査定事例について、私なりに分析してみたいと思います。

今回の査定は通知文の解釈差異によるものと考えられます。

こあざらし
今回の令和2年改定でバイオシミラー医薬品の取扱いを反映させるために通知の文章が少し変わりました。

(前回)通知(11) 「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、一般的名称に変更があった場合をいう。なお、過去1年以内に使用した一般的名称に変更した場合は、算定できない。

(今回)通知(11) 「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。・・・(続く)

  • 一般名称に変更があった場合
  • 処方された特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更があった場合

通知での表現が変わっています。

こあざらし
そして、これをそのまま解釈すると、表の中にある薬効分類名が変わった場合にしか算定できないというふうに読むことができますね。

つまり、インスリン製剤内であれば、名称が異なる薬に変更したとしても変更とは認めない。そのような解釈となってしまいます。

今回の査定はこのような解釈でなされたものではないかと思います。

ただ、その解釈だったとしても、なんだかおかしい査定もあるようですね。トルリシティ→ライゾデグはグルカゴン様ペプチド–1受容体アゴニスト→インスリン製剤というように薬効分類が変わってますので査定されるのは何故と思います。配合注を変更として認めてないということなのか?

どういう観点なのか…ちょっと真意が分からないです。

こあざらし
ですがその前に、、、今回の通知、よく見るとまだ続きがあるんですよね。

(今回)通知(11)・・・(続き)また、先行バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できない。

改定文を初めて読んだ当初、最初の1文だけであれば私も薬効分類の変更を見るという解釈に変わったのかと考えましたが、通知(11)の続きを読んだら、薬効分類の変更という解釈では何だかおかしい通知となってしまうんです。

先行バイオ医薬品とバイオ後続品はほぼ類似した効能を持つ医薬品です。つまり、薬効分類は当然変わりません

先行から後続の変更で具体例を挙げると、トレシーバからインスリングラルギンBSのような変更ですね。インスリン製剤からインスリン製剤となります。

わざわざ言及しなくてよくない?そもそもインスリン製剤内の変更は変更として認めないって言ってたんでしょ。

だとしたら、なんか後半部分の通知が無駄な文章になってしまいますよね?

こあざらし
既に最初の1文で薬効分類での変更でなければ変更じゃないんですよーと言っていたのであれば、わざわざバイオ後続品への変更について言及する必要はないと思うんです。

とすると、1文目の解釈は薬効分類の変更という解釈は間違いだったということになります。

「処方された特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更があった場合」

これは単に在宅自己注射の対象薬剤範囲を示しただけの文章?つまり、「在宅自己注射対象薬に変更があった場合」です。

結局、改定前と同じ取扱いをイメージして解釈すると違和感がない解釈となります。

(前半)表の中の注射薬で変更があった場合に算定できます。

(後半)除外されるのは、先行バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合、バイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合です。過去1年以内に処方されたことがある注射薬に変更した場合は算定できません。

言い回しが変わっただけで、内容自体は変わっていないのではないかと…私はそう解釈しています。もしかしたら、違う解釈もあるかもしれませんが、他にしっくりくる解釈が浮かびません。ごめんなさい。

こあざらし
通知文章は変わりましたが、内容は変わっていないと思います。

なので、もし今回のような査定を自分で処理するのであれば、私も問い合わせをしますが、その際、どこの通知文からの根拠での査定かを審査側に確認します。

査定理由を確認する場合には査定根拠としている通知文章を聞き出すことをお勧めします。医学的見解なのか、通知文からの見解なのか。通知文からの査定ということであれば、該当する通知を提示してもらってください。

今回の場合は「改定で変更があったから」と言われているのですから根拠となる通知文があるはずです。あちらの解釈に納得できたのであれば引き下がりますが、納得できない解釈であれば話し合いあるいは再審査請求します。

審査は都道府県ごとで独立した見解でされてるので、人間の数だけ解釈も違います。改定の事例は改定直後から話し合いを経て審査方針が徐々に変わっていくこともあるものです。解釈の擦り合わせが行われていくんですね。

審査側の観点を聞き、解釈の仕方に「なるほど」となることもあります!

色んな人に、ここの解釈はどう読める?ってのを確認してみるのもいいですよ。多角的な視点を得ることも出来ますし、多数決で主流な解釈も見えてくるかもしれません。私の意見も一つの解釈例だと思ってください。

こあざらし
今のままだと何が算定出来て何が算定出来ないのか線引きができない状態で、今後、導入初期加算を算定する際に消極的にならざるを得なくなってしまうと思うので一度なんらかの形で審査側に確認した方がいいと思います。
  • この記事を書いた人

こあざらし

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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