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レセプトで特定疾患処方管理加算の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
少しお久しぶりの更新となりましたが、予告していた通り、特定疾患処方管理加算の査定についてまとめました。
特処1と特処2の算定基礎
特処1(18点)は特定疾患を主病として治療している患者に対して月に2回算定できる加算です。特に処方日数に指定はなく、処方薬にも指定はありません。なので、別に特定疾患に直接作用する薬の投薬がなくても算定できる点数です。特定疾患の治療を主にしている患者であり、全身的な治療管理をしていれば算定対象となります。
特処2(66点)は特定疾患に対する処方薬が28日以上ある患者に対して月1回算定できる加算です。特処1とは異なり、処方薬に指定があります。28日以上の投薬、かつ、特定疾患に作用する薬です。外用薬や隔日投与も処方期間が28日以上なら算定対象となります。
レセプトで特定疾患処方管理加算の算定が査定される理由
同日2回
特処2(66点)の算定は通常月1回の算定となりますので、2回の算定は有り得ません。ただし、特処1に関していえば月2回まで算定可能となっていることより、同日2回の算定はどうなるのかという疑問が出てくると思います。
同日1回が原則となっていますので、1受診で2回算定している場合は査定対象となります。それは診療科が異なる場合においても同じ考えです。複数診療科を受診したとしても、2回算定できる条件は満たしません。
同日に2回の算定が可能となるのは同日再診料を算定する場合においてです。
同日再診料がない患者に同日2回の算定をしている場合は査定対象となります。
処方箋料や処方料の算定なく加算のみ
特処はそもそも加算なので、加算の元となる所定点数がなければ認められません。ということで、処方箋料の算定や処方料の算定なく加算は算定できません。
意外に処方箋料の算定漏れがあります。気をつけて算定しましょう。
電子レセプトで頻繁にある間違いですが、院外処方に対して院内用の特処点数を算定している場合、また、その逆のパターンについても査定対象となります。
算定間違いだと思われますが、処方箋料がない算定だと判断されてしまいかねないので注意して算定してください。
特処2月分処方のため2回→月1回
特処2(66点)は月1回の算定と定められています。処方が月初と月末というように分かれてそれぞれ1月分ずつ出して算定間隔が離れている場合でも同月内では1回のみの算定となります。
院内処方と院外処方でそれぞれ算定してしまっている場合がありますが、院内と院外合わせて月1回までとなっています。
特処2は特定疾患に直接適応のある薬剤のみ可
特処2(66点)に関しては、特定疾患に作用する薬剤でなければ算定ができません。見落としがちなのが「逆流性食道炎」病名に対する特処2の算定です。胃炎や胃潰瘍、 十二指腸潰瘍などは特定疾患の対象となっていますが、逆流性食道炎は対象外となっています。算定には気をつけましょう。
特定疾患に対する28日以上の薬剤投与がない特処2
吸入薬や外用薬でも特定疾患に対する適応がある薬剤で28日以上の処方があれば、特処2(66点)の算定は可能です。しかし、当然のことながら、ひと月の中で28日未満の処方しかない場合は査定対象となります。
同月に特処1と2の併算定
特処1と特処2を同月に合わせて算定することはできません。どちらか一方を選択して算定することになります。
特定疾患に対する薬剤が在宅注射薬剤のみ
在宅注射薬剤のみの場合は特処2の算定対象とはなりません。在宅注射は投薬区分で算定されるものではなく、在宅区分で算定される薬剤であるためです。
診療実日数0日
特別な場合を除き、無診察での処方は認められていません。再診料などの基本料がなく、診療実日数が0となってしまっている場合には注意が必要です。
他法にて基本料の算定があるといった場合であれば、加算のみの請求も可能です。その場合は「他法にて基本料算定済み」などをレセプトに明記しておいたほうがいいです。
診療内容から特定疾患が主病とは考えにくいもの
特処1(18点)は確かに特定疾患に作用する薬剤でなくても算定できる点数です。しかしながら、診療内容には十分気を配る必要があると思われます。鎮痛薬の補薬のためにつけられた胃炎病名であると判断される場合や、レセプトを並べてみたときにどう見ても主として診療してるとは思えない診療内容だった場合など、査定判断をされることがあります。
通知で「◯◯を主病とする患者」に対してのみ許される条件のもの
- 小児科療養指導料
- 慢性疼痛疾患管理料
- 難病外来指導管理料 など
難病外来指導管理料と特処の病名が共通であれば両方の算定が可能となりますが、難病が特定疾患の病名に対象となっていないものに関しては、どちらか一方の点数しか算定できません。主たるものの算定となります。
さいごに
頻繁に目にする加算なのでしっかりと見ておきたい点数ですね。特処2で認められなかった場合は特処1に減額査定となったり、全査定されたりしてしまうので、慎重に点検しましょう。