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術中損傷で予定手術と異なる臓器への手術が必要となった場合の算定
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
『予定手術箇所とは異なる部分の臓器を損傷し、その部分の処置が必要になった』
大きな病院の医療事務をしていると、こんなレセプトと出会うことがあるかもしれません。
手術の際には、他臓器を傷つけてしまう可能性が高い術式があります。
今日は、稀な事例ではありますが、『術中損傷』による算定についてレセプト請求の観点から確認していきましょう。
術中損傷をした場合の手術手技料の算定は?
事故外傷による臓器損傷の場合は請求先が変わったり、自賠責が絡んだりするものの、手術手技料自体の請求は可能です。
では、今回のテーマとして取り上げた『術中損傷』をした場合はどうでしょう。
この場合、術中損傷部位に対する手術手技料の算定は別途保険請求することが出来ません。
もしも審査にて術中損傷に対するものだと判断されると、査定対象となります。
手術料の算定は結局どうなる?
予定されていた手術が完遂されたのであれば、その予定通りの手術手技料を算定することは可能です。
術中損傷に対する手術については算定せず、それ以外の本来の手術手技料のみで請求を行うということです。
反対に、予定手術が完遂出来なかった場合は、試験開腹術や試験開胸術などの順当な算定を行うと良いでしょう。
術中損傷として行った手術点数の方が高いからと主たる点数でその算定をしていると、本来の術式点数に減点査定になると思います。
術中損傷をした場合の薬剤と材料の算定は?
薬剤や材料については、やむをえず請求を行うことになると思います。薬剤に関しては仕分けることが困難なのでそのまま請求するしかないです。
特定保険材料は症状詳記に必要性をしっかりと書き込むようにしましょう。
あまりにも高額な材料を請求する際には審査機関に事前確認を取ったほうがいいかもしれません。
請求可能ですよという確認が取れた場合は、『審査機関確認済み』である旨を記載してレセプト請求しましょう。
術中損傷の見分け方
損傷病名に注意
損傷病名には、交通事故・外傷での臓器損傷である場合と手術中に臓器を損傷する術中損傷の場合があります。
そのため、もしも損傷病名がある患者は、その原因を詳しく調べてみましょう。
何が起因の損傷でしょうか。
損傷についてはレセプト請求の際に事務員が注意すべき点です。しっかり意識しておきましょう。
特に可能性があるパターン
骨盤内臓器や婦人科手術で稀に術中損傷するのが尿管や腸管です。
レセプトの病名で尿管損傷や腸管損傷を見かけた場合はまず手術記録を確認するようにしましょう。
手術による損傷であれば、それに対する手術料の算定は出来ません。
使用材料から読み取る
特定保険材料は手術の特徴を反映しやすいものです。
本来の予定術式では使わないような材料が出て来た場合は手術記録の確認を取りましょう。
術中損傷の可能性があります。
さいごに
今回はレアケースだと思いますが術中損傷をテーマにしてみました。非常に迷うのではないかと。
特定保険材料の取扱いについては、自治体によって解釈が違うかもしれないので請求される場合は事前確認をお勧めします。
そのことだけはお伝えしておきます。