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質問回答|レセプトで抗ミトコンドリア抗体の算定が査定されましたが理由が分かりません
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
抗ミトコンドリア抗体の査定について質問がありましたので、回答をシェアします。
[質問回答]レセプトで抗ミトコンドリア抗体の算定が査定されましたが理由が分かりません
診療月R1年8月の抗ミトコンドリア抗体がD査定となりました。
主病名は原発性胆汁性肝硬変で、前回検査施行月はH31年4月です。
【他検査】
- TBA(胆汁)
- IgG
- IgM
- 抗核抗体(蛍光抗体法除く)など
病名は適応ですが、不適当ということは、何か併せて検査しなければいけないものがあるのでしょうか?
こあざらしの回答
まず、抗ミトコンドリア抗体なのですが、臨床的意義は「原発性胆汁性肝硬変の診断」となっています。
原発性胆汁性肝硬変は「免疫学的な異常」を原因として発症する病気です。抗ミトコンドリア抗体と呼ばれる自己抗体が高頻度で特異的に陽性となる傾向です。
抗ミトコンドリア抗体の陽性が強ければ原発性胆汁性肝硬変である可能性が強く疑われます。陰性であればそれ以外の理由で肝硬変が進んでいる可能性が考えられます。
診断をつけるためにはいくつかの検査を組み合わせて鑑別するものだと思いますが、抗ミトコンドリア抗体は鑑別診断に役立つ検査のようです。
TBA検査があるということなので、こちらで肝機能の経過観察は可能と考えられます。
とすると、原発性…の診断を目的とした抗ミトコンドリア抗体を再度測定するとしたら、何らかの特殊な状況でなければ不必要と考えられるのではないでしょうか。
抗ミトコンドリア抗体はその検査自体が半定量検査であるためハッキリとした数字で抗体の量というのは出ないもので、病名確定後の経過観察での必要性はいかがでしょうか。
疑い病名での鑑別診断であれば定期的に調べるかもしれませんが、確定後にこの抗体を測る理由が欲しかったかもしれません。どんな理由があるのか私も分からないのですが。
臨床的意義が「○○の診断」となっている検査については、診断時に有用とされ、逆にそれ以外の時には不必要と考えられる審査ケースがあります。