質問回答|抗サイログロブリンやサイログロブリンが査定されるのはなぜか?

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

こあざらし
複数の方からご質問を受けましたので、まとめたいと思います。

目次

[質問]抗サイログロブリンやサイログロブリンが査定されるのはなぜか?

症例1

甲状腺機能の検査について教えてください。
病名は甲状腺機能低下と甲状腺腺腫があり、再診患者です。
抗サイログロブリン抗体とサイログロブリンを同日一日同時に実施がB査定過剰で減点され、解釈本を読み返してもどこにも記述無く理由が理解できていません。すみません教えてください。

症例1に対する回答

実際に抗サイログロブリンやサイログロブリンを計るというのは疾患の診断をする時に使う場合が多いみたいですね。

甲状腺機能を見る1次検査的立ち位置なのがT3、T4、TSHあるいはFT3、FT4、TSHの3つであって、これで経過観察してることが多いと思います。

それより先に進んで二次検査にあたる抗体検査や、他のホルモンを調べたりする検査というのは、新たに甲状腺癌や甲状腺疾患の症状を疑い診断に使用するものが保険で認められる傾向です。

また、投薬治療の経過観察である場合も認められていますね。

なので、普通の定期的な経過観察でそれらの二次検査のようなものをしていると過剰と判断されることがあります。また、連月〜半年以内に再算定しているものも過剰と判断されることがありますので算定間隔も点検してみると良いかもしれません。

そんなに頻繁にしていないのであれば病名に対して妥当な検査であるものは認めてもらえると思います。

こあざらし
どうしても必要性があって行わなければならないのであれば、査定傾向がある都道府県では症状詳記をつけて請求をしてみるしかないです。

症例2

最近、甲状腺乳頭癌術後の患者に3ヶ月に1回程度施行している、「サイログロブリン」「抗サイログロブリン」が頻繁に査定されます。
支払基金に理由を問い合わせると、「6ヶ月に1回の施行のみ認められる」とのことでしたが、こちらとしては再発のリスクが高い患者は3ヶ月に1回は施行したい所存です。
そこで、下記のうちどれが正しいのですか?ご教示ください。

①病名で「術後再発の疑い」をつける
②再発リスク↑の詳記記載
③6ヶ月に1回のみ

症例2に対する回答

こあざらし
既に支払基金の回答が6ヶ月に1回とされていることより、それが最終回答となるかと思います。

審査決定と権限は各都道府県の各支払基金が独立して持っているため、その審査機関での審査傾向はそれぞれ異なり、お住まいの地域の支払基金の回答が一番正解です。

全国的には3か月に1回くらいは認められているような気がします。

傾向的に術後患者に対してその頻度に行っているというわけではなく、ハイリスクな患者に限って期間短縮のフォロー検査を行うということであれば、患者の状態によりますが、査定になってる事例の方が少ないようです。

もしも、結果はどうなるか分からないものの、どうしても3ヶ月に1回で請求をするとすれば、審査医師を論破出来るレベルの詳記を添付しなければ審査は覆らないと思います。

あと急性増悪などであれば、算定は可能と思いますが請求のために乱用すると傾向的と判断され、審査で目をつけられてしまいますので乱用はおすすめできません。(便宜請求ではなく、実際の状況に即した算定を行ってください)

色んな疾患に診療ガイドラインが存在するのですが、そういった診療ガイドラインで経過観察の間隔などが記載されてることもありますので、そういったところで推奨されていたりすると、それに沿った形で審査をしていただけることがあります。そういった医学的に強い文献を見つけて詳記に記載して出すと認めてもらえる可能性が高まりますので参考までに。

医師に「なぜ血液検査でなければダメなのか」必要性を確認してみるのが一番楽です。

超音波検査でもなく、血液検査でフォローする必要性ですね。

こあざらし
医学的妥当性が、どの審査医師でも頷く理由が必要です。

一般的な例の患者とは異なり、この患者さんは特別なケースなんですよっていうニュアンスが伝われば請求も認めていただけるかもしれないです。

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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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