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質問回答|下垂体前葉負荷試験(GH)と耐糖能精密検査は併算定可能でしょうか?
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
読者の方からレセプトの算定について質問がありましたので、回答をシェアします。
レセプトの算定に関する質問
併算定について教えてください。
D287 1 下垂体前葉負荷試験 イ 成長ホルモン1200点 と D288 2 耐糖能精密検査は併算定可能でしょうか。どちらの負荷試験もブドウ糖(トレーランG)での負荷となります。
こあざらしの回答
今回の算定についてですが、トレーランGのみの使用ということであれば、D287 1 下垂体前葉負荷試験(GH)1200点ではなく、D008 13 成長ホルモン(GH)での算定になるものではないでしょうか。
GH分泌刺激試験(下垂体前葉負荷試験)とは、アルギニン、クロニジン、グルカゴン、インスリン、L-dopa、GHRP-2など【通知(3)に挙げられているようなもの】といったGH分泌に作用する薬剤を用いて刺激(負荷)を行った場合に算定するものです。ブドウ糖負荷はインスリン分泌は刺激するかもしれませんが、成長ホルモン分泌に関する刺激はされないものだと思われます。
適応の薬剤について添付文書を見てもらうと成長ホルモン分泌に影響を与える可能性があるとの記載や、負荷試験の適応が記載されてたりするので確認してみてください。
今回はトレーランGだけなので、このような考えになりますが、もし、これらの薬剤をどれか使っていた場合、耐糖能精密検査と併算定が可能かということでも解釈してみますと、
- 耐糖能精密→血糖値やインスリンを観察
- 下垂体前葉負荷試験(GH)→負荷薬剤使用後のGH分泌観察
それぞれ検査目的が異なりますし、特に併算定出来ないとの記載もないため併せての算定は可能だと考えます。もしも目的が重複するとみなされる場合は主たるものとされそうですね。病名がそれぞれの検査に対してにない場合など…。私の勝手な解釈ですが。
確かに、GH分泌異常を見るためにブドウ糖負荷試験で抑制されないか確認試験しますが、これは分泌刺激試験とは異なるものです。
下垂体前葉負荷試験なんですが、分泌刺激する薬剤というのが間接的なものではなく、直接刺激を行うイメージです。
トレーランだと、まずはインスリン分泌を促して、その後のGHの動きを見るという形になってしまうので、直接作用というよりインスリンに作用されてしまうことがあります。なので、これはただの耐糖能の動きに合わせたGH値の確認です。もしもその患者がインスリン分泌能に問題があれば、正確なGH分泌能数値は測れません。
例えば、インスリン負荷であれば、インスリン分泌能に左右されず、インスリンというホルモンに対して体がどのように反応したか(純粋なGH分泌能)を確認することができ、その場合が、下垂体前葉負荷試験として算定出来るものだと私は解釈しています。
他の負荷薬剤作用例
- アルギニンは、GH・インスリン・グルカゴン の分泌刺激をするアミノ酸です。
- グルカゴンは、インスリンやGH分泌を促進します。
- GHRP-2は成長ホルモン放出ペプチドです。