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レセプトでMAC核酸検出の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
今日は、以前の結核菌関連検査に絡めてMAC核酸検出の算定について書き出していきたいと思います。
MAC核酸検出検査とは?
抗酸菌には3種類の菌群があり、結核菌、非定型抗酸菌、らい菌と分かれています。
ヒト感染の起因となる抗酸菌のほとんどは培養に時間がかかるため、培養法による迅速診断が難しいものです。(ヒト感染する抗酸菌とは結核菌のこと)
MAC核酸検出検査とは、非定型抗酸菌による感染症の原因菌ほぼ7割を占めるマイコバクテリウム・アビウム(M.avium)及びマイコバクテリウム・イントラセルラー(M. intracellulare)の迅速検出を行える検査です。結核菌が陰性と確認された患者に対して、抗酸菌感染の鑑別診断を助ける検査になります。
MAC核酸検出の算定が査定される理由
結核菌陰性患者が対象
「10」のマイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出は、他の検査により結核菌が陰性であることが確認された場合のみに算定できる。
通知にもある通り、他検査にて陰性が確認された患者に対する検査です。主な査定はこの部分から審査されています。
結核確定の病名がある患者に対して算定している場合は査定対象となります。
適応病名
非結核性抗酸菌症が適応です。結核病名のみでMAC核酸検出の算定は出来ないので気をつけましょう。
他医にて結核の確定病名がある場合や前月に結核の確定病名がある患者などは見落としがちなので、病院の連携や縦覧の点検などもしっかり出来ると良いですね。
他に結核菌精査する検査なし
他の検査により結核菌が陰性であることが確認された場合に算定できる点数となっていますので、他に結核菌の有無を確かめる検査が行われていない場合はMAC核酸検出の算定は査定対象となります。
レセプトにおいて、結核を精査する関連検査があるかを確認しましょう。もしも検査の算定が月をまたぐようであれば摘要記載を入れたほうが良いです。
疑い病名で月2回
疑い病名のまま月2回以上の算定が行われていると、2回から1回の算定に回数査定になっているケースが多いです。
大体、抗酸菌培養や結核菌群核酸検出を併算定していることが多く、多項目検査を複数回にわたり算定している感じのレセプトでは高確率で2回目以降のMAC核酸検出は査定となっています。
疑い病名で連月にわたってMAC核酸検出を行っている場合も翌月の算定は査定される傾向にあります。(疑い病名の診療開始日が新しく更新されている場合であっても)
レセプトを見た際の患者の免疫力低下状態に注目してみてください。
免疫抑制状態の患者や化学療法中の患者は免疫力が低下しやすく、易感染状態となってしまいます。そういった患者は、陰性となった場合でもその後の経過を見守る必要があり、定期的な感染チェックが必要となりますね。この場合においては、比較的保険算定は認められているように見受けます。
もし、そのような免疫低下状態が見受けられない患者であれば2回目の算定が査定される可能性が高いです。
結核菌特異的インターフェロン-γ産生能の実施後
D015「28」の結核菌特異的インターフェロン-γ産生能は、診察又は画像診断等により結核感染が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。
結核感染が強く疑われる患者という部分より見て、結核の可能性が高いという判断になります。この検査自体が、結核患者との接触者健診に用いられることが多い検査のようなので…。
結核感染者との接触があり結核菌が潜伏していそうな感じ。結核感染の可能性高めな患者。
ということは、結核菌陰性確認後にすべき検査をするのは不適当だという考えに至るわけです。
もしも査定になった場合は、解釈の候補として参考にしてみてください。
経過観察のため
抗酸菌鑑別や同定目的の検査であるため、活動性などの経過観察に用いた場合の保険請求は認めないという解釈があります。
さいごに
回数に規定がない検査というのは審査に差異が出ます。もし、査定になった場合には参考にしてみてください。査定パターンで有り得る解釈を書き出してみました。あと何種類か結核菌関連検査の記事作成予定です。