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脳手術は同日2回の算定が可能か?開頭手術と穿頭手術についての解釈。
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
脳手術には開頭手術と穿頭術とありますが、算定解釈についてちょっとお話ししたいと思います。
左右に対する穿頭手術
穿頭術は、手術部位の範囲が狭いものです。必要最低限の穴をあけるというイメージで。
なので、特に両側と規定がない術式については左右別術野として算定が出来ます。この場合は同日2回の算定をすることは可能という判断になりますね。
病名注意
算定出来るのは左右に対して手術を別々に行った場合が該当となるため、請求する際のレセプトには両側に対する病名があること。
片側にしか病名がない場合などはもちろん査定となってしまいますので、しっかり確認してから請求を行いましょう。
また、手術に対して、「右」「左」など施行部位を記入しておくと親切です。
一目で「右と左にやったのね」と分かると審査もスムーズに済むはず。この時、記載部位と病名部位に差異が出ないように気をつけましょう。
術式の例
- 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
- 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭)
脳・脊髄腔用カニューレ(排液用・頭蓋内用)が左右それぞれの個数分算定可能です。
材料にも注意
手術を2回分算定する際、材料の算定が1つだけだったりすると、術式としては1回分の術式請求しか認められないというケースもあります。
術式ごとに特定保険医療材料の請求が必要数ありますか?この部分も注意して見た方が良いですね。
開頭手術の場合は?
開頭手術の場合は手術範囲も広くなりますので、たとえ少し離れた場所の脳手術を行っていたとしても別々に請求することは難しいです。
主たるものの算定が無難ってことかな。
手術後の同部位状態悪化
再手術で同じ術式を同日に2回も算定する…というのはさすがに難しいと思います。
基本的に2回目については試験開頭術であったり、創傷処理での算定であったり、1回目のコストよりは安価な点数で算定になるものとして点検してます。
日が変わると、「術後は良好な経過だったけど状態変化のため対応した」とも読み取れるため、認めてもらえるケースもあります。これは審査委員の裁量になってきますので請求してみないとどうなるか分からないですね。
もしも全く別の新しい疾患がある場合でも?
『全く別の新しい』の定義がどうなるかによります。
手術後に発生すると考えられる疾患(後出血、離創など)の類であれば手術の一連と考えられ、その場合は1回目の手術のみの請求になるものという判断が多いです。麻酔や材料の請求は特に規定がないものはそれぞれ請求出来ますので、2回目使用のものも算定してください。
この場合の2回目については創傷処理や試験開頭術相当のことをしているのであれば算定できるかもしれません。
2回目の術式を算定しない形で請求する場合は、パッと見のレセプトが「1回分の手術にしては材料多くないか?」となってしまいますので、摘要記載などを入れておきましょう。
術後の血腫除去をした場合
開頭術で同日複数の脳手術を算定しているのはあまりお見かけしたことがありません。
ただし、血腫などの除去算定は見かけたりしますね。同手術の再算定はありませんが、別手術の算定をしているのはたまに見かけます。
でも、その血腫除去にしても審査委員によっては査定にする考えのところもあったりするので、請求するのであれば詳記に力を入れてください。
医学的妥当性と1回目の手術との一連性はないことを強調しましょう。一度、閉頭してからのものであれば、そのことを書いてみてはいかがでしょうか。
術後に転倒して再開頭する場合
術後に外的要因が加わり、全く予期せぬ形での再手術を余儀なくされた場合は、同一日であっても請求は可能と思われます。
元からある基礎疾患にかかわらないもので、術後に起こりうるものとして考えにくい外的要因などは1回目手術の診療行為からは切り離されていますので、そういった場合は別請求できるものと判断でき、それぞれの算定が認められています。
ただし、原因が医療機関側にある場合の外的要因は請求しないほうが…。
さいごに
脳に関して同日に同じ術式を算定しているのは圧倒的に穿頭術が多いです。材料や病名、詳記から見て左右別にやってるのが分かれば、算定は可能という傾向が見られます。レセプトをしっかり確認して請求しましょう。