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在宅自己注射と混同してしまう?在宅妊娠糖尿病患者指導管理料の算定が査定される理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
今日は医科点数表の在宅指導管理の点数である在宅妊娠糖尿病患者指導管理料の査定事例についてまとめてみます。
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料(加算含む)の算定が査定される理由
血糖自己測定器加算なし
(通知)在宅妊娠糖尿病患者指導管理料は妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者であって、下記の者のうち、血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者に対して、適切な療養指導を行った場合に算定する。
通知より見て、血糖自己測定値に基づく指導を行うために血糖測定器を現に使用している者に対して指導を行った場合が対象とされています。
このことより、血糖自己測定器加算の算定がない患者については査定対象となるものがあるみたいです。
加算の算定がない患者についてカルテの再確認を行ってみましょう。
もしも血糖自己測定値は測ってるけど月20回未満だから算定してないだけだよっていう場合は、注記に「20回未満の実施がある」旨を記載した方が良いと思います。
このパターンで特に査定になりやすいのが初診時です。通知から考えると「血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者」には初診受診時は当てはまらないので、そう判断されてしまうのかも。
例えば、他院からの紹介で来ており、他院にて血糖自己測定は行っていたという話であれば、そのことを注記しておいたほうがいいと思います。
入院中
妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって入院中の患者以外の患者に対して、周産期における合併症の軽減のために適切な指導管理を行った場合に算定する。
その他の在宅指導管理料と同じで、入院中の患者に対しては算定が出来ません。
入院中の患者以外が対象です。
妊娠中・出産後7日未満に該当しない患者
別に厚生労働大臣が定める者
妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者であって周産期における合併症の危険性が高い者(血糖の自己測定を必要とするものに限る)
通知で規定のある算定対象患者とは妊娠中の糖尿病患者か周産期の妊娠糖尿病患者です。
周産期とは妊娠22 週から出生後7日未満のことをいい、周産期医療とは妊娠、分娩に関わる母体・胎児管理と出生後の新生児管理を主に対象とする医療のことをいう。
周産期医療の体制構築に係る指針-厚生労働省
周産期医療の体制構築に係る指針-厚生労働省
周産期とは妊娠22 週から出生後7日未満というのを目安にしてみたらいいのかなと思います。
ここの部分から、妊娠22週より以前は認められない?と思ってしまう人もいるかもしれませんが、周産期だけでなく妊娠中の糖尿病患者も対象となっていますので妊娠週数は関係ないです。妊娠患者であれば対象になります。
はっきりとした審査基準はありませんが、この指針などを参考に考えてみると、おおよそ出産後1週間までは対象患者として認めてもらえるはず。
この期間を過ぎた場合は算定対象外と判断されるかもしれないので、算定する時には出産日もよく確認しておきましょう。
この期間内での算定が査定されたのであれば、周産期に対する解釈の違いだと思いますので、指針を参考に再審査請求を行ってみてもいいのではないかと思います。
他病院同月
他の在宅指導管理料と同じで、同月においては主たる医療機関での算定となります。
もしも他の医療機関において既に算定があった場合、合議の上での算定となりますので、どちらか一方の医療機関は査定となってしまいます。
入院外来で算定がある
1医療機関で同月に1回の算定です。
外来レセプトと入院レセプトと分かれてしまった際に見落としがちですが、入院がある月にはレセプトを確認したうえで算定を行うなど普段から気をつけて算定を行うようにしましょう。
導入初期加算は算定不可
時々、導入初期加算を算定しているレセプトをお見かけすることがあるのですが、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料では算定をすることが出来ない点数です。
管理内容が似ているので在宅自己注射指導管理料とは混同しやすいのですが、通知を確認の上、算定を行うようにしましょう。
診療実日数0日
医師の診察がない日においては算定が出来ません。診療実日数0日になっていないですか。
検査のみ来院の日に一緒に算定したりしていませんか。
診察を行う日に算定をする点数ということで意識しておきましょう。
疑い病名
うっかりこんな症例も多いです。
在宅指導管理料を行う場合は疑い病名での算定は認められていません。
対象疾病である妊娠糖尿病病名が確定であるかを確認しましょう。
妊娠だけが確定病名で、糖尿病が疑い病名になってしまっていたり、あるいは、その逆のパターンになったりしていませんか。
どちらか一方が疑い病名になっている場合、算定要件に該当しないものとなってしまいます。
妊娠関連病名の診療開始日が古い
妊娠関連の病名があるからと安心していると足元をすくわれることがあります。
古い病名で何年も前の妊娠病名が残ったままだった…なんてこともあるようなので、転帰は常日頃から行っておいた方が良いですね。
病名欄が賑わってくると、見分けがつかなくなってしまいますので、診療開始日は丁寧に点検するように心がけておきましょう。
在宅自己注射指導管理料と在宅妊娠糖尿病患者指導管理料算定の使い分け
妊娠糖尿病でもインスリン製剤など注射の処方がある患者に対しては、在宅自己注射指導管理料の算定を行えることが出来る取扱いになっています。(改定の際の評価より)
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料は血糖自己測定さえ行っていればインスリン製剤など注射の処方がない患者に対して管理料として算定できる取扱いとなっています。
そのため、2つの指導料はインスリン製剤処方の有無で判断して算定を使い分けましょう。
血糖自己測定器加算は1回が目安?
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料では、恐らくインスリン製剤を処方しない人に対して算定しています。
2月分、3月分の血糖自己測定器加算算定が可能な症例とは、インスリン製剤を2月分、3月分処方した患者に対して算定可能だとされていますので、そのような場合では在宅自己注射指導管理料の方を算定されていることが多く、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料で算定することは少ないと思います。
よって、この指導管理料を算定している場合の血糖自己測定器加算は1回のみが妥当と判断され査定されることがあります。
さいごに
自分の中でややこしく思ってた在宅指導管理料だったので、今日は復習のつもりでまとめてみました。審査自治体によって、この解釈もまちまちなので何とももどかしいですが…。