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在宅自己注射指導管理料のレセプト算定方法 Vol.1(回数の数え方・基礎編)
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
今日は初心にかえったような内容ですが、在宅自己注射の数え方について確認しておきたいと思います。
なぜこのテーマなのかというと、私も初心者の時代にこの部分に引っかかったからです。
なんとなく医師が回数記載をしていればそうなのかと納得して流していましたが。
もし医師の記載がなく自分で読み取って算定しろと指示されたなら、正直、何を基準にしてどのように数えたらいいか全く分かりませんでした。
どの参考書を見ても、あまりにも当然のように○回ですって前提で書いてありますし。
いろんなところを探してみたのですが、算定回数に対する解説は見つからず…。
こんな部分につまずいてるのは私だけ?とも思いつつ。
医療事務初心者の方で、同じようにつまずく人がいるかもしれないと思い、今回道しるべとしてこのテーマで記事を書きたいと思います。
自己注射の数え方
糖尿病治療用の注射を例に挙げて、いくつかのパターンを説明したいと思います。
- ランタスXR 1日1回
- ビクトーザ 1日1回
- ノボラピッド 1日3回
- トレシーバ 1日1回
- ヒューマログ 1日3回
- トルリシティ 週1回
いきなりこんな感じで並べてみました。
この回数がどこから出てきたのかと言うと、添付文書の用法から導き出されています。
ランタスXR注ソロスター
通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は毎日一定とする。
ビクトーザ皮下注
通常、成人には、リラグルチド(遺伝子組換え)として、0.9mgを1日1回朝又は夕に皮下注射する。
ノボラピッド注
通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食直前に皮下注射する。
トレシーバ
通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射する。注射時刻は原則として毎日一定とするが、必要な場合は注射時刻を変更できる。
ヒューマログ注
通常、成人では1回2~20単位を毎食直前に皮下注射するが、ときに回数を増やしたり、持続型インスリン製剤と併用したりすることがある。
トルリシティ皮下注
通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。
このように薬価の用法から1日に使う回数というのは薬剤ごとに決まっているのです。
それぞれこの部分から実施する回数を割り出せますね。
在宅自己注射指導管理料(回数の数え方)
在宅自己注射指導管理料を用いて、回数の解釈を深く学習していきましょう。
在宅自己注射指導管理料には
- 27回以下
- 28回以上
という2つの項目がありますね。
この数え方はどのような解釈になっているのでしょうか?
先ほど解説しましたが、薬剤の用法より1日あたりの回数は分かりましたよね。
1)注射単剤処方
※月初め[1日]に指導料を算定し、薬剤も1月分処方したと仮定。
①(朝5単位、昼5単位、夕5単位)で自己注射の指示。
①の薬剤の場合、朝・昼・夕に自己注射を行うこととなっています。つまり、1日3回という数え方になります。1日3回×当月日数分が自己注射の回数となりますので、仮に30日ある月であれば、3回×30日で90回。よって、月28回以上の項目に該当します。
②(眠前5単位)で自己注射の指示。
②の薬剤の場合、眠前に自己注射を行うこととなっています。つまり、1日1回ということになります。1日1回×当月日数分が自己注射の回数となりますので、仮に30日ある月であれば、1回×30日で30回。よって、月28回以上の項目に該当します。
③(週1回)で自己注射の指示。
③の薬剤の場合、週1回の自己注射実施指示があります。つまり、7日に1回ということになります。7日に1回×当月実施回数分が自己注射の回数となりますので、仮に30日ある月であれば、4週間の実施と考えられ、週1回×4週で4回。よって、月27回以下の項目に該当します。
2)注射2剤併用療法
①(朝5単位、昼5単位、夕5単位)で自己注射の指示。
②(眠前5単位)で自己注射の指示。
この2剤を併用した場合。1日あたりの自己注射回数は①の3回と②の1回で計4回の実施ということになります。
1日4回×当月日数分が自己注射の回数となりますので、仮に30日ある月であれば、4回×30日で120回。よって、月28回以上の項目に該当します。
さいごに
回数の仕組みはお分かりいただけたでしょうか?
初心者の方の参考になれば幸いです。
実際に仕組みを知ってみると、説明するまでもなく当然な話だというわけで、この部分に深く踏み入った文献も見当たらない理由がよく分かりました。
第1部は、回数の数え方シリーズの初回なので、本当に基本的な考え方についてまとめました。