質問回答|閉麻(全身麻酔)の複数種類の算定方法について

本ページには広告を含むリンクがあります。

こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

お久しぶりの記事更新となります。少し忙しくしておりました。

他にもまとめたい内容はあふれているのですが、まずはこのたび質問をいくつかいただきましたので、回答済ではありますが内容を記事のほうにも反映させておこうと思います。

こあざらし
同じように疑問に思われている方がいたら、参考になるかもしれません。
目次

[質問]複数種類の全身麻酔の算定方法について

質問者さま
閉麻4 212分、閉麻5 102分 硬膜外加算305分が14365点になる計算方法がわかりません。
212分と102分を合算し点数が高い方を算定しないといけないのでしょうか。

このたびは、このようなご質問をいただきました。

こあざらし
私も麻酔の計算は苦手分野なので分かる範囲で解説を(笑)

こあざらしの回答

①複数種類の閉麻の併算定手順

まず、複数種類の麻酔がある場合は、閉麻1から閉麻5までの麻酔で一番点数が高くなる区分のものを探します

1 人工心肺を用い低体温で行う心臓手術、区分番号K552-2に掲げる冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)であって低体温で行うものが行われる場合又は分離肺換気及び高頻度換気法が併施される麻酔の場合
イ(麻酔が困難な患者に行う場合) 24,900点
ロ(イ以外の場合) 18,200点

2 坐位における脳脊髄手術、人工心肺を用いる心臓手術(低体温で行うものを除く。)若しくは区分番号K552-2に掲げる冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(低体温で行うものを除く。)が行われる場合又は低血圧麻酔、低体温麻酔、分離肺換気による麻酔若しくは高頻度換気法による麻酔の場合(1に掲げる場合を除く。)
イ(麻酔が困難な患者に行う場合) 16,600点
ロ(イ以外の場合) 12,100点

3 1若しくは2以外の心臓手術が行われる場合又は伏臥位で麻酔が行われる場合(1又は2に掲げる場合を除く。)
イ(麻酔が困難な患者に行う場合) 12,450点
ロ(イ以外の場合) 9,050点

4 腹腔鏡を用いた手術若しくは検査が行われる場合又は側臥位で麻酔が行われる場合(1から3までに掲げる場合を除く。)
イ(麻酔が困難な患者に行う場合) 9,130点
ロ(イ以外の場合) 6,610点

5 その他の場合
イ (麻酔が困難な患者に行う場合)8,300点
ロ (イ以外の場合) 6,000点

こあざらし
閉麻5が低点数で4、3、2、1となっていくほど高い点数設定になっている事が点数表を見ると読み取れると思います。

今回の場合は4、5の使用がありますね。

4 腹腔鏡を用いた手術若しくは検査が行われる場合又は側臥位で麻酔が行われる場合(1から3までに掲げる場合を除く。)
イ(麻酔が困難な患者に行う場合) 9,130点
ロ(イ以外の場合) 6,610点

5 その他の場合
イ (麻酔が困難な患者に行う場合)8,300点
ロ (イ以外の場合) 6,000点

この場合は4の方が点数が高いので、この点数を軸にして考える事になります。

まず最初の2時間となる部分閉麻4 6610点を使います。

閉麻4の212分から2時間(120分)を除き、残りの92分の計算をします。2時間以降の点数については全て加算として算定を行っていきます。

こあざらし
閉麻4の30分あるいはそれを超えた端数ごとで加算が算定できますね。

92分=30分+30分+30分+端数が2分

ここでは、端数の2分を除き、30分×3回分の加算を算定します。

660点×3回分=1980点となります。

こあざらし
麻酔の種類が1つであれば、この端数分は660点をもう一つ加算することになるのですが、今回の場合は複数麻酔のため、処理が変わってくるため、2分はここでは計算しません。

次に、閉麻5の102分を計算します。既に2時間は閉麻4にて差し引いてあるので102分として30分ごとに区切っていきます。

102分=30分+30分+30分+端数が12分となります。

閉麻5の600点で加算を使って計算します。

端数を除き、600点×3回分。

最後に端数の計算です。

閉麻4の2分と閉麻5の12分を合わせて14分は、時間が長いほうの閉麻種類が主体となりますので閉麻5の点数が適用。よって600点1回と計算。

全てを合計すると閉麻の点数が6610点+660点×3+600点×3+600点=10990点という点数になるかと思います。

②硬膜外麻酔加算の算定手順

次に、硬膜外麻酔加算ですが、部位のお知らせがなかったのですが点数から考えると恐らく頸部加算を使用している症例です。

硬膜外麻酔は305分ということなので、これも最初の2時間は750点を算定します。そして、305分から2時間(120分)を差し引いて、残り185分は30分ごとの加算として計算します。

185分=30分+30分+30分+30分+30分+30分+端数が5分

よって硬膜外麻酔加算の点数は750点+375点×7=3375点となります。

③全ての麻酔を合算

閉麻と硬膜外麻酔加算を合計すると

こあざらし
10990点+3375点=14365点と、最初に示していただいた点数になるかと思います。

まとめ

複数麻酔の計算は

  1. どれが一番高い閉麻かを見極める
  2. 高い麻酔を2時間の枠の点数として使う
  3. 2時間を超えた部分の加算は30分×何回分になるのかで計算する
  4. 加算の計算の際に時間の端数が出た場合は、複数閉麻においては最後の計算の時間にまとめる
  5. 複数閉麻の端数時間を計算する際には長い時間の種類が優先となる

この5点を押さえておけば大丈夫だと思います。

こあざらし
これは医科点数表の中の通知に書かれていますので読んでみてください。
あわせて読みたい
レセプトで全身麻酔・静脈麻酔の算定が査定になる理由 こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。 レセプト点検をする際に、実務症例でありそうなパターンを解説。今日のテーマは麻酔の手技料についてです。 麻酔用薬剤...
あわせて読みたい
レセプトで麻酔管理料の算定が査定される理由 こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。 今日は医科点数表の麻酔についてお話ししようと思います。 麻酔管理料が査定される理由 まず、通知に目を通してみましょ...
あわせて読みたい
腹腔鏡手術から開腹手術へ、手術途中での移行算定 こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。 手術レセプトを見ていると、時々、どうやって算定したらいいんだろうと迷いそうな症例があります。 例えば、このような...

歯科レセプト勉強におすすめの書籍

私は初心者の頃は赤本の方でレセプトの勉強をさせてもらいました。

レセプト事例集なのでそのまま記載方法なども学べましたし、分厚くて高価なものですが、実務に必要な事例が網羅されており実践的だと思います。

歯科事務におすすめの書籍

歯科助手もするということであれば知っておきたい情報が詰め込まれている本。

どれか1冊持っていると安心かも?目次を見たら好みが分かれるかな?

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

目次