質問回答|持続皮下インスリン注入療法と持続血糖測定している患者に血糖自己測定の併算定は可能でしょうか?

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

読者の方からレセプトの算定について質問がありましたので、回答をシェアします。

目次

レセプトの算定に関する質問

CGM(持続血糖測定)とCSII(持続皮下インスリン注入療法)を行っている患者で、

  • 在宅自己注射指導管理料(複雑な場合)
  • 持続血糖測定器加算(プログラム付きシリンジポンプを使用した場合)
  • 持続血糖測定器加算(◯個以上)

はわかるんですが、他のサイトを見ると

  • 血糖自己測定器加算(月120回以上)

も算定しているのですが、そうなのですか?

質問者さま
持続血糖測定(自動で血糖を測定)しているのに、血糖自己測定をとってもいいのでしょうか?自分で血糖を測ってるわけではないと思うのですが・・・。

こあざらしの回答

持続血糖測定器と血糖自己測定器は測定する内容が異なりますので、実際に行っているということであれば両方算定することは可能です。

通知にも特に併算定を不可とする規定がないため、請求が認められているようです。

こあざらし
確かに、持続血糖測定器は装着式で自動に測定出来るものですが、これは血糖そのものの測定をするものではないんですね。

血糖自己測定器と持続血糖測定器の違いとは?

少し混乱してしまいそうなので、持続血糖測定器と血糖自己測定器の違いを確認しておきたいと思います。

こあざらし
血糖自己測定器(SMBG)とは、血液中(血管内)の糖濃度(血糖)を測れるものです。

リアルタイムな血液の糖濃度を見ることが出来ます。(採取時の糖濃度)

こあざらし
持続血糖測定器とは、間質液中の糖濃度を測ります。これによって得られた結果で、糖濃度の1日の変動を見ることが出来ます。

間質液とは、細胞と細胞の間を満たしている組織液のことで、皮膚の表面に近い部分に存在しているものです。(表皮辺り)

血管を通って運ばれて来たブドウ糖は間質液を通り、ひとつひとつの細胞へと運搬されていきます。

持続血糖測定器では、血管中から滲み出て来て間質液の中に運搬されてる糖を測定するものなので、実際の血糖値とはいくらか差異が生じているようです。

血糖値と近い動きをする組織液として検査に利用されてるみたいですね。

こあざらし
血液の糖濃度を調べられるのが血糖自己測定器によるもので、間質液の糖濃度を調べられるのが持続血糖測定器によるものです。

間質液中の糖濃度≠血液中の糖濃度なので、基本的に血糖自己測定をやめるわけではありません。

持続血糖測定器による日変動を把握しながら、血糖自己測定器で測定する検査値と併せて治療に役立てるという感じ。

メーカーによってはCGMのみでの測定が可能となっているものもある(?)みたいなので測定器によっては、CGM単独での算定もあると思いますが、実際どの測定器を渡されて、どれを実施されてるのかを確認して、その通りに算定してもらったら良いと思いますよ。

持続血糖測定に関する材料について

質問者さま
パラダイム、エンライトセンサ、トランスミッター、リブレ、リブレproあたりはどういうものなのか、何をする機械なのかも詳しく教えてください。

グルコースモニタリングシステムの算定

Enlite(エンライト)センサ、トランスミッタ、リブレ、リブレPro等はグルコースモニタシステムであり、皮下に挿入した専用のグルコースセンサを用いて得られた間質液中のグルコース濃度を連続的に記録する装置と添付文書にあります。

グルコースモニタリングシステムの中には、データ収集担当器、変換・送信担当器、データ受信担当器となる装置がそれぞれあります。

センサと呼ばれるデータ収集器やトランスミッタと呼ばれる変換器?が送信機のような役割を果たし、受信機であるモニタシステムでデータを記録管理するようなイメージです。※こあざらしの勝手なイメージ

リブレ、リブレproは、Readerというモニター装置と皮下組織に留置するセンサを併用して、皮下間質液中の糖濃度を調べるものです。

皮下挿入してあるセンサをスキャンするとグルコース値がReaderにワイヤレス送信され、Readerのスクリーンに検査値が表示されるという仕組みになっているようです。

こあざらし
Reader+皮下挿入センサ→Readerのスクリーンで間質液中の糖濃度を確認できます。

Enlite(エンライト)センサとは、皮下挿入センサのことです。センサだけでは検査値の確認ができないので、トランスミッタやレコーダと併用することで、検査値の表示を可能とするものです。

トランスミッタは、得られた情報を汎用コンピュータやインターネットを経由して専用ソフトに送ることでPCに表示できるようにしてくれる装置です。

トランスミッタにより、検査値をプログラム付きインスリンポンプに送信することも可能にしているようですね。

こあざらし
持続血糖測定器加算として算定するのは、センサの数です。当月使用のセンサの数に応じて加算として請求します。

ポータブルインスリン用輸液ポンプの算定

パラダイムインスリンポンプは、インスリン皮下持続注入を行うためのポータブルインスリン用輸液ポンプです。

通知(2) 「プログラム付きシリンジポンプ」とは、間歇注入シリンジポンプのうち、基礎注入と独立して追加注入がプログラム可能であり、また基礎注入の流量について、1日につき24プログラム以上の設定が可能なものをいう。

パラダイムインスリンポンプは、プログラム付きインスリンポンプに該当します。

C152の間歇注入シリンジポンプ加算の「1」プログラム付きシリンジポンプでの算定が可能なものです。

もしも、トランスミッタを接続し併用した場合は、C152の間歇注入シリンジポンプ加算の「1」 ではなく、C152-2持続血糖測定器加算の注2を算定することが出来ます。

ポータブルインスリン用輸液ポンプとトランスミッタを併用した場合は、当月使用数に応じたC152-2持続血糖測定器加算プラス「注2」の点数を算定するということになりますね。

  • 持続血糖測定器加算(プログラム付きシリンジポンプを使用した場合)
  • 持続血糖測定器加算(◯個以上)
こあざらし
この2つを算定しているということは、トランスミッタと併用したインスリンポンプということですね。
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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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