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エピペン注の在宅処方算定方法とレセプトで査定になる理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
ショック症状の対応で使用することとなるエピペンを今日のテーマとして選びました。
エピペン注の在宅処方算定方法とレセプトで査定になる理由
在宅処方で算定するには
エピペンの院内使用については特に請求で気にするところはないのですが、在宅処方になると、査定になるケースがあるということを知っておいたほうがいいと思います。
その査定となるケースというのが、在宅自己注射指導管理料の算定がない患者に対して在宅処方としてレセプト請求を行なっている場合です。
これは、エピペンのみの話ではありませんが、在宅自己注射の薬剤を在宅処方する場合、在宅の指導管理料の算定がないと保険上認められない場合があるようです。
在宅自己注射指導管理料の算定について
通知(8) 在宅自己注射の導入前に、入院又は2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する。また、指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付すること。なお、第2節第1款の在宅療養指導管理料の通則の留意事項に従い、衛生材料等については、必要かつ十分な量を支給すること。
通常、在宅自己注射指導管理料の算定といえば、この通知が関わってくるため、初診時にいきなり指導管理料の算定をすることはできません。しかし、エピペンについては例外となりますので、この通知は適用されません。
通知(6) アドレナリン製剤については、蜂毒、食物及び毒物等に起因するアナフィラキシーの既往のある患者又はアナフィラキシーを発現する危険性の高い患者に対して、定量自動注射器を緊急補助的治療として用いた場合に限り算定する。
エピペンでは、この通知に該当する場合に算定できます。そのため、事前の教育期間は要しません。インスリン製剤の際には査定になるパターンの1つ(在宅自己注射指導管理料算定に係わる査定まとめ)ですが、エピペン注は初診時に算定することが可能です。
残薬に対する算定
Q.在宅において緊急補助的治療として使用するためにアドレナリン製剤を処方された患者について、毎月、自己注射に関する指導管理を行った場合に、その都度、在宅自己注射指導管理料を算定することができるのか。
A.アドレナリン製剤を処方した際の在宅自己注射指導管理料については、医学的な必要性からアドレナリン製剤を処方し、処方と同時に自己注射に関する指導管理を行った場合に限り、算定することができる。
(平成24年3月30日事務連絡)
(平成24年3月30日事務連絡)
アドレナリン製剤の場合は、インスリン製剤を算定する際とは考え方が少し異なります。
インスリン製剤であれば、残薬に対する管理料の算定も可能となっていますがエピペンは在宅処方と同時の場合にしか在宅自己注射指導管理料の算定が出来ません。
残薬に対して管理料を算定してしまうと、それは査定対象となります。
導入初期加算の算定は可能か?
通知(10) 「注2」に規定する導入初期加算については、新たに在宅自己注射を導入した患者に対し、3月の間、月1回に限り算定する。ただし、処方の内容に変更があった場合は、さらに1回に限り算定することができる。
新たに在宅自己注射を導入した患者に対し算定が可能となっており、特に詳しい規定もありません。そのため、在宅処方としてエピペンを持ち帰ってもらった患者であれば算定できるものと解します。
アドレナリン製剤はそんなに頻繁に投与するものではないため、連続で3月処方するという症例はほぼ見られません。
そのため、導入初期加算を再度算定できるようになるのは1年後ということになります。初回算定月から3月を超えた月から1年未満で再度投与するのであれば、在宅自己注射指導管理料の算定のみとなり、導入初期加算の算定はできないので気をつけましょう。
他病院からの引き継ぎの場合も起算は変わりませんので、導入初期加算が査定されるとするなら、この辺りが理由になってくると考えられます。
起算月の例
平成30年4・5・6月であれば導入初期加算が算定可能となっています。ですが、実際に連月で処方を行う事例はほぼ無いと思いますので、これは参考でのお話。
次に再度、エピペンに対する導入初期加算が算定可能になるのは平成31年4月以降です。
エピペン2筒の在宅処方は可能か?
医学的妥当性があれば請求可能です。2筒の在宅処方を算定することもできます。
さいごに
エピペン注は、在宅注射の中でも少し特殊な算定方法になっていますので、一つの記事としてまとめてみました。