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レセプトで在宅成分栄養経管栄養法指導管理料の算定が査定になる理由
こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。
【経】の算定には様々な疑問があるかも。
処方量や処方日数は関わるのか。
また、なぜ査定されたのかよく分からないルール査定というのもあるかもしれません。
今日は、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料のよくある査定事例を挙げたいと思います。
在宅成分栄養経管栄養法指導管理料の算定が査定になる理由
人工栄養剤処方なし
通知(1) 在宅成分栄養経管栄養法とは、諸種の原因によって経口摂取ができない患者又は経口摂取が著しく困難な患者について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法をいう。このうち在宅成分栄養経管栄養法指導管理料算定の対象となるのは、栄養維持のために主として栄養素の成分の明らかなもの(アミノ酸、ジペプチド又はトリペプチドを主なタンパク源とし、未消化態タンパクを含まないもの。以下同じ。)を用いた場合のみであり、栄養維持のために主として単なる流動食(栄養素の成分の明らかなもの以外のもの。)を用いており、栄養素の成分の明らかなものを一部用いているだけの場合や単なる流動食について鼻腔栄養を行った場合等は該当しない。
通知(1)の算定ルールより、この指導管理料の算定には栄養剤の算定が不可欠となって来ます。
診療点数早見表に編注として注釈がありますが、要件を満たす人工栄養剤は2018年時点でエレンタール、エレンタールP、ツインラインNFと限定されており、この栄養剤の算定がないものについては査定される傾向です。
よくある査定事例で算定されている薬剤
- エンシュア
- エネーボ
- ラコール
これらの薬剤で算定している場合が見受けられますが、査定対象となりますので気をつけましょう。
ラコールですが、ラコールNF配合経腸用液とラコールNF配合経腸用半固形剤がありますね。
ラコールNF配合経腸用液は、患者の状態や持っている疾病により算定出来るかは変わりますが、C109在宅寝たきり患者処置指導管理料の算定は許されているようです。
また、ラコールNF配合経腸用半固形剤については、平成30年4月改定で新設のC105-3で算定が可能となっており、こちらでは特に栄養剤の細かい成分規定がないため、算定が出来る項目となっています。
たとえ間違って【経】の算定をしていたとしても、平成30年の改定から、ラコールNF配合経腸用半固形剤は【半固形】で算定出来ることから、同じ2,500点なので査定になったとしても項目振り替えでプラマイ0査定だと思います。
出来るだけ、算定している栄養剤の種類は確認するようにして査定を防ぎましょう。
処方量、処方日数が少ない
通知(1) 在宅成分栄養経管栄養法とは、諸種の原因によって経口摂取ができない患者又は経口摂取が著しく困難な患者について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法をいう。このうち在宅成分栄養経管栄養法指導管理料算定の対象となるのは、栄養維持のために主として栄養素の成分の明らかなもの(アミノ酸、ジペプチド又はトリペプチドを主なタンパク源とし、未消化態タンパクを含まないもの。以下同じ。)を用いた場合のみであり、栄養維持のために主として単なる流動食(栄養素の成分の明らかなもの以外のもの。)を用いており、栄養素の成分の明らかなものを一部用いているだけの場合や単なる流動食について鼻腔栄養を行った場合等は該当しない。
再び同じ通知から読み取ります。
算定対象となる患者が規定されていますので確認しましょう。
「栄養維持のために主として栄養素の成分の明らかなもの(アミノ酸、ジペプチド又はトリペプチドを主なタンパク源とし、未消化態タンパクを含まないもの。以下同じ。)を用いた場合のみ」となっていますね。
また、「栄養素の成分の明らかなものを一部用いているだけの場合や単なる流動食について鼻腔栄養を行った場合等は該当しない。」ともされています。
人工栄養剤だけでなく、他の何かで栄養補充していると思しき程度の投薬量の少なさでは算定要件を満たさないと解されているのです。
処方量が少ない場合
やはり処方量が少ないと査定対象となってしまいますね。
少ないの基準ですが、おおよそ1日の総使用量が80g以下くらいを目安にしたらいいんじゃないでしょうか。
とは言え、患者の状態や持病によって変動すると思います。
クローン病などの特殊な病気にある患者については1日量80gほどでも可能と思われても、他の疾患の場合では160g以下は認めないと思われるものもあるようです。
それでも妥当性が認められなかった場合は査定となってしまいますが。
処方日数が少ない場合
処方日数については特に規定がありません。在宅処方が出ているのであれば算定は可能なものと解されます。
しかしながら、残薬で当月【経】の算定をしている場合は注意が必要です。
残薬で算定することは可能ですが、あとどのくらい残薬があるのか把握しなければなりません。
その結果、指導管理料の査定という形で審査されてしまうこともありますので、明確な残薬を記載することも査定防止につながり、算定ミス予防につながると思います。
栄養状態や経口摂取に関わる病名なし
通知(2) 対象となる患者は、原因疾患の如何にかかわらず、在宅成分栄養経管栄養法以外に栄養の維持が困難な者で、当該療法を行うことが必要であると医師が認めた者とする。
対象となるのは、特定の疾病がない患者だったとしても、最低限、経管栄養法での治療が必要な患者に限ります。
咽喉頭や食道の疾患だけでも審査で読み取ってもらえるとは思いますが、つまるところ、経口摂取困難だという状態があるのであれば、この病名を記載されたほうが間違い無いと思います。
DPC入院で処方の算定がない
DPCは投薬が包括になるから、処方の算定がなくても良いやと思われがちですが、【経】は在宅の管理料です。
つまり、在宅に持ち帰る薬がなければ算定が出来ません。
在宅処方については、DPCでも算定が可能な部分です。
入院中
注 在宅成分栄養経管栄養法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅成分栄養経管栄養法に関する指導管理を行った場合に算定する。
入院中の算定は出来ません。他病院入院中ももちろんダメ。
入院患者のレセプトにおいては、退院日での算定になっているか日計表できちんと確認しましょう。
他医療機関と同月に算定がある
在宅指導管理料の総則ですが、同月に他の医療機関で同じ薬に対して【経】の算定があれば算定出来ません。
連携をきちんと取りましょう。
実日数0日
医師の指導が不可欠です。
実日数0日では算定要件を満たさないものと解されますので、必ず診察がある日に算定を行いましょう。
さいごに
【経】は、通知にあまり詳しいことが書いてないしどうしたら良いのかと悩まれてる人も多い点数ではないかと思われます。
査定事例から読み解くと、通知の解釈は様々あるのだと気づかされますね。