バイオ後続品導入初期加算の算定方法解釈|令和2年診療報酬改定を読解

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こんにちは、こあざらし(@ko_azarashi)です。

まだ、新しい早見表が手元になく、新点数を読むのが不便でならないです。早く欲しい…

バイオ後続品導入初期加算を読んでいたら、導入初期加算とごっちゃごちゃの解説になってしまい、質問者様を困らせてしまったり…ダメじゃないか!!と奮起。

私自身も訳わからなくなっていきそうだったので、頭の整理のため、記事にしてみました。

目次

バイオ後続品(バイオシミラー)とは?

バイオ後続品とは、国内で既に新有効成分含有医薬品として承認された先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発される医薬品です。 

「同等性/同質性」とは、先行バイオ医薬品に対して、バイオ後続品の品質特性がまったく同一であるということを意味するのではなく、品質特性において類似性が高く、かつ、品質特性に何らかの差異があったとしても、最終製品の安全性や有効性に有害な影響を及ぼさないと科学的に判断できることを意味します。

難しい言葉が使ってありますが、要するに、ジェネリックとは少し異なり、全く同じ成分というわけではなく、類似の効果が得られる薬剤だということです。

バイオシミラーの名称

 バイオシミラーの一般名は、先行バイオ医薬品の一般名に[後続1(2、3、…)]と付けたものです。

販売名は原則として、先行バイオ医薬品の一般名から遺伝子組換え等に係る記載を省略し、BSと記載したものに、剤形、含量及び会社名(屋号等)が付けられています。

要するに、一般名は先行バイオと同じなんだけど、それと区別するためにバイオ後続品については一般名に「後続」という名称をつけて差別化を図ったということ。

【改定】導入初期加算におけるバイオ後続医薬品の取扱い

(11) 「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料 の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。また、先行バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更した場合は、 算定できない。

導入初期加算は、以前よりある点数で取扱いもそんなに変更はないようです。

1年以内に何回か薬剤変更を行い、再度同じ薬剤に戻ったとしてもこの加算は算定できないと言う解釈です。

先行バイオと後続バイオの取扱いについても書かれてますが、考え方は今までと同じと考えたらいいです。

先行バイオと後続バイオは一般処方名が全く同じです。

一般処方名が同じものは新たな処方とはみなされないため、「1年以内に薬剤に変更があった場合さらに1回算定」の点数が算定出来ません。

こあざらし
以前、査定事例として取り上げた記事にその辺の解釈を作成してますので参考にしてみてください。
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【新設】バイオ後続品導入初期加算の算定解釈

(12)「注4」にて規定するバイオ後続品導入初期加算については、当該患者に対して、バイオ後続品の有効性や安全性等について説明した上で、バイオ後続品を処方した場合に、 当該バイオ後続品の初回の処方日の属する月から起算して、3月に限り、月1回に限り算定する。「バイオ後続品を処方した場合」とは、バイオ後続品の一般的名称で処方した場合(例えば、「○○○○○○(遺伝子組換え)[●●●●●後続1]」と処方した 場合をいう。)又はバイオ後続品の販売名で処方した場合(例えば、「●●●●● BS注射液 含量 会社名」と処方した場合をいう。)をいう。

その患者にとって初めてバイオ後続品に該当する薬剤を在宅処方として算定した場合、初処方月を含めて3月間はこの加算を取ってもいいですよというものが新設されました。

これは導入初期加算と時期が被っても、併算定出来るものと解釈します。

イメージは注射版ジェネリックです(厳密には違うのですがイメージで!)。

先行バイオより後続バイオの方が費用が安く、医療費削減になるため、使用を促進する目的でこのような加算が出来たようです。

加算として評価点数を上乗せできることにし、医師からバイオ後続品のオススメをしてもらおうという狙いがあるとか。

  • 先発医薬品=後発医薬品(同じ有効成分を含む)【ジェネリック医薬品】
  • 先行バイオ医薬品≒バイオ後続医薬品(類似の品質・有効性を持つ医薬品)

出来るだけ、後から出たお薬のほうが特許切れで医療費が少なくて済むので使用促進して医療負担コストを下げると言う医療費施策ですね。

バイオ後続品導入初期加算の対象薬剤

在宅自己注射指導管理料を算定する時に、厚生労働大臣が定める薬一覧に名称が明らかに入ってるはずなのに、なぜ、算定出来ないんだろうかという薬剤ありませんか。

先行バイオとバイオ後続品の違いです。

先行バイオは厚生労働大臣が定める薬の一覧にあれば算定可能ですが、バイオ後続品については、個別に検討され、認可されれば薬価収載となり、算定可能となる流れです。

在宅自己注射指導管理料が算定出来ることがちゃんと示されてない薬はバイオ後続品でも、そもそも【注】自体が算定出来ないので対象外薬剤なのです。

バイオ後続品も限られてくると思うので、抜粋しておきました。

薬価収載されてるバイオ後続品は他にもありますが、在宅自己注射指導管理料が認められているのが以下の薬品です(書き漏れてたらごめんなさい)。

こあざらし
在宅自己注射指導管理料の対象となる注射薬のうち、現在国内でバイオ後続品が薬価収載されてるのは以下の薬剤です。

インスリン製剤

インスリン グラルギン

  • 先行バイオ医薬品:ランタス注
  • バイオ後続医薬品:インスリングラルギンBS注「リリー」
  • バイオ後続医薬品:インスリングラルギンBS注「FFP」

ヒト成長ホルモン剤

ソマトロピン

  • 先行バイオ医薬品:ジェノトロピン
  • バイオ後続医薬品:ソマトロピンBS皮下注「サンド」

エタネルセプト製剤

エタネルセプト

  • 先行バイオ医薬品:エンブレル
  • バイオ後続医薬品:エタネルセプトBS皮下注,皮下注用「MA」
  • バイオ後続医薬品:エタネルセプトBS皮下注「TY」,「日医工」

テリパラチド製剤

テリパラチド

  • 先行バイオ医薬品:フォルテオ
  • バイオ後続医薬品:テリパラチドBS皮下注「モチダ」

算定パターン例を解説

令和2年4月にランタス注からインスリングラルギンBS注に変更となった場合、導入初期加算については、既に1年以内に3月間算定している状態であれば算定出来ないものです。(2月から導入初期加算を算定していた場合、4月まで算定可能です)

バイオ後続品導入初期加算については初処方月の4月から起算して6月まで算定出来ると解釈します。

先行バイオ医薬品が共通する別のバイオ後続品に変更した場合は算定対象とならない旨の事務連絡が出ましたので、先行バイオ医薬品が異なるバイオ後続品の処方をした場合については再度算定ができるものと解します。(R2.3.31事務連絡)

導入初期加算とバイオ後続品導入初期加算がごちゃごちゃになってしまいそうですが、別物として解釈することが必要です。

こあざらし
起算月が同じである場合や異なる場合、どちらのパターンも考えられます。
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この記事を書いた人

医療事務(診療所・病院)、レセプト審査(保険者)、医科歯科事務経験、介護事務経験あり。ブログは、査定事例の解釈・レセプト実務に必要な知識を重点的に更新♪

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